声とコミュニケーションとキャラクターと名前と

 コードギアスDS(最初のやつ)が大当たり。

 元々「C.C.さんって恋人?」に「新しいお母さんだよ」て答えるとナナリー飛び降り自殺でルルーシュも後追い自殺してゲームオーバーとゆー超展開が一部で有名で、機会があったらプレイしとこう程度だったんだけど。

 えー。まずはコレhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm1686414を。

 基本はボイス入力を楽しむゲームで。つまり「新しいお母さんだよ」を自分の声で言う。詳しくはhttp://www.geass-game.jp/ds/game.htmlを見てもらうとして、「お前たちは死ね!」を声に出して言う部分においてRPG(ロールプレイ)で。「踊ってろ」「切腹しろ」て命令すると画面内の2Dキャラがその通りの行動をとる。

 それだけで終わらないのが面白いとこで。ルルーシュ視点のみならずカレンや扇をPCとして動かすんだけども、そのマップ移動の際にはゼロから「そこを北だ」「そっちじゃない!」などと逐一命令される。いわゆる日本製RPGの行動をやたら束縛されて自由に振舞えないところを、ルルのキャラクター性で見事に浮かび上がらせてる。ギアス能力の設定って元々がそゆコミュニケーション部分のクローズアップだし当然といえなくもないけど、掬い取るのが上手い。

 さらにRPG本編開始前のコミュニケーションパートの音声入力では、C.C.に「ピザは好きか」と聴かれて「はい」「いいえ」「大好き」から選んで答えたり。当然、画面のC.C.に向かって「ダ・イ・ス・キ(はぁと)」と囁く。一人で自室でやってても凄い恥ずかしい。

 んで気付いたんだけど、これ「声優に恥ずかしい台詞を言わせる」の逆で。画面を挟んでC.C.やカレンが下着姿その他の視聴者の性的視線に沿ったアングルやポーズでもって身体を披露したり声を出したりすると、視聴者は何のリスクも犯さず特権的な立場にいるなんて言われるじゃない。でもさ、現実に手出しできない存在に愛を囁くのは客観的に見て恥ずかしいという時点で既にリスクを負ってて。

 過去の音声入力ゲームは基本コミュニケーションの模倣を目指すんだけど、ギアス能力の非対称性、「ディスコミュニケーション」を題材にしたことで逆説的にリアリティが成立してる。ゲームは「相手をしてくれるメディア」であると同じだけ「相手をしてあげるメディア」なのよね。