「悪役令嬢ですが、幸せになってみせますわ!アンソロジーコミック14」ゼロサムコミックス

結構なベテラン勢参加で全体のレベルがやたら高い。

展開のフリーダムさも様々なら、結末の幸せの形も様々。

 

  • 城鐘ナコ「クセつよゲーム?そんなの関係ありません〜断罪後の悪役令嬢は余生を静かに暮らしたい〜」

自立する女性の理想像、ヒーローとしての悪役令嬢のバリエーションも広がり続け、本作では婚約破棄断罪イベントで没落した侯爵令嬢が家事清掃に牧場手伝いにウーバーイーツに二郎店員とバイト掛け持ちしまくりで逞しく日々を過ごす。ちなみに舞台は現代ではなく(多分)ナーロッパ風近代宮廷風のどっか。ノリがいい。

 

  • 宮本福助「死神と令嬢」

「見える子ちゃん」ばりに霊的存在が見えまくる令嬢が怨念渦巻く宮廷の瘴気と女癖が悪く女性の生霊を引き連れまくりの婚約者を処理しきれず結果婚約破棄されて幸せを掴む話。

超絵が上手いベテラン漫画家がかなりバッサリと大鉈を振るった感があって説明や展開は最小限で絵的に美味しくまとめてある。

 

  • 八坂アキヲ「傍若無人王子をヨシヨシしてたら、どこに出しても恥ずかしくないヤンデレになりました。」

転生前はオカンだったので幼少期の駄々っ子王太子を母親の愛情で包んだら立派なマザコンになってしまい自立できなくなったけど、どうせ婚約者で結婚するし、まあいっかー、みたいな

 

  • 尾羊英「私の知ってる童話じゃないけど!」

「今日からおまえの名はシンデレラよ!」という台詞を聞いてシンデレラの世界に意地悪義姉として転生してしまったヤバい断罪回避しなきゃと頑張るのだが、アレアレなんかおかしいぞ。

 

  • 式部玲「顔だけと言われた悪役令嬢は死に戻って恋に惑う」

断罪処刑で時間巻き戻りやり直しで善行積む系テンプレ。

 

youtu.be

ちなみにゼロサムコミックスであるにも関わらず、「公式」であるはずのゼロサムオンラインでは作家名でもアンソロジー名でも各作品名でもヒットせず、情報が完全に削除されている様子。おそらく最新刊告知しかされない。一迅社や親会社の講談社は全体に各電子書籍アプリに丸投げ経費削減方向で動いてる気配で、既存単行本方面をフォローしてくれそうにない。pixivコミックで人気作品として上位ピックアップされてても重版かからないのがザラだし、その上に出版社で公式情報も出してくれないとなると、いよいよコミックスの先行きは不透明ぽい。

 

https://www.yodobashi.com/product/100000009004102437/

こわたりひろ「最愛のお姉様が悪役令嬢だったので、神が定めた運命(シナリオ)に抗います」コロナコミックス

全3巻。ほぼタイトル通りの内容。

 

懐かしい、ああ、ほんとうに懐かしい。

この「タイトル通り」というのは、本当に一字一句間違いなくタイトル通りで、主人公は姉の運命を変えるためにコミックス3巻ずっと全力で抗い続ける。

特筆すべきは、凄く古典的なこと。

いまどきは過去に戻ろうがループを繰り返そうが、「そこ」(時間を巻き戻すという行為)については、あまり注意が向けられない。当たり前のギミックとしてスルーされるのが普通。しかし本作は、20世紀の昔、タイムスリップで過去に戻るものがタイムパラドックスとか色々と真面目に気にしてた頃の、あの感覚で時間巻き戻りをやる。

それやって、なんか目新しい展開があるわけではない。40年以上前、ドラゴンボールがタイムパラドックスをカジュアルに無視するスタイルを確立する前の、あの頃に一通りやった「いつものあれ」が繰り返されるだけ、ではある。

が、今どきは「いつものあれ」を見ること自体がまずない。

なので、逆に新鮮というか、珍しいというか、「ああ、そうだった」と初心に返るというか。

ロートルおっさんがノスタルジーにどっぷり浸かれる一作。

 

  

tobooks.shop-pro.jp

山水みこ「セーデルホルムの魔女の家」ラワーレコミックス

ジャパニーズテンプレメイドの格好はしていないが万能メイドが家庭内の家事から家族内のコミュニケーション不全まで全部解決しちゃう話。

大枠的にはメリーポピンズ。

漫画家が普通にハイクオリティ。ゆったりとした雰囲気で進む。幼女が可愛いが、父親から執事から全員可愛い。

今月発売の2巻で完結とのこと。

 

hifumi.co.jp

飾くゆ「TS悪役令嬢神様転生善人追放配信RTA〜嫌われ追放エンドを目指してるのに最強無双ロードから降りられない〜」REXコミックス

中の人が男という意味で言うと「悪役令嬢転生おじさん」だが悪役令嬢要素については一顧だにせずバトって配信コメントで煽られる話。RTAと書いてあるけどRTA要素も皆無だし嫌われ追放も別に目指してない、まあ、とりあえずWeb掲載スタート時に色々と盛って走らせたら何も起きなかったので早々に色々と放棄した感じのやつ。

コミカライズについては勢いのある感じで上手く整えてて、コミックスのカバー外すとけっこう頑張っていたりする。

 

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1巻はカバーの下部に動画配信サイトの再生バーみたいのが見えてたり、カバー下も裏表紙側まで回り込むように文字で埋め尽くしていて頑張ってるのが見て取れると思う。

またPR動画も作成されており、なんとCV若本規夫。かなり期待されていたのがわかる。

 

youtu.be

 

が、まあ、2巻の表紙デザインがだいぶ大人しくなってるので察せられるわけだが、期待ほどでなく失速したと思われる。Webではいちおう2巻収録分の次の話の前編まで公開されているが、後編が出ることなく2年半が経過。内容的に見ても途中で巻きが入って無理やり終わらす途中で、まあ、売上厳しかったかで関係者の気力と余力が尽きた感じですかね。コミカライズ漫画家はテンポのつけ方はええ感じなので相性いい原作に出会えたらいいと思います。

聖女ちゃんが可愛いのと、カバー下の気合い入った1巻が良い感じなのが捨てがたいので。

 

ichicomi.com

秘書1号ちゃんが水着姿に

プリコネ夏イベント、1号ちゃんが水着になりましたどんどんぱふぱふ

 

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解説しよう。1号ちゃんはプリコネ メインストーリー第二部から登場して気が付けば一気に人気トップに躍り出たクレジッタさんの秘書である。メインストーリーでクレジッタさんにくっついて出てくるのだが、当初はというか今に至るまで使い回しモブ女性グラフィックを当てられており、またボイスも喋りはするものの(プリコネ は基本フルボイスなので)モブとして主要キャラより出っ張らないよう演技をかなり抑え込んだ抑揚のない喋り方なのだが、その淡々としたモブな表情と喋り方でクレジッタさんの言動にいちいち容赦ないツッコミを入れるキャラが一部で大受けし、クレジッタさんのガチャ実装時には現実世界(プリコネ はソードアートオンラインをパクった、現実世界に戻れなくなった大規模MMOが舞台)に苺ちゃん(1号をもじって苺)という対応キャラがいることが描かれ「NPCじゃないんだ…!」とファンを狂喜乱舞させたものの、キャラ実装されることなく供給控えめのまま今に至る。

プリコネ もサボリ期間が長いので偉そうなこた言えないのですが、1号ちゃんの供給いつぶりだろうか。いやあ嬉しい話ですね。クレジッタさんとのラブラブっぷりも相変わらずで素晴らしい。

 

岩原裕二「クレバテス-魔獣の王と赤子と屍の勇者-」MFコミックスアライブ+

今の角川書店の迷走っぷりを最も象徴する作品。

 

作者は過去作が複数本アニメ化され、絵も作劇も安定した実力を示し続けているベテラン作家。本作もかなりの期待をかけられていたはずで、LINE漫画から出ていたコミック単行本を(おそらくアニメ化企画に関わる諸々も込みで)連載途中でわざわざ角川レーベルで新装版として出しなおし、アニメ化もそれなりにコストかけた作り(まあまあ手間かけた作画コスト、手堅い役者陣、OP前島麻由もさることながら1クール目と2クール目の間隔が比較的近い、つまり最初から2クール作るつもりの陣構え)で、実際、1クール目は原作未読の視聴者からも好評で迎えられた。

 

が。

 

アニメ1期最終話から2週間後に発売された第10巻。

実質アニメ放映期間中の発売であり、確実に手に入るだろうからと、他のコミック類とまとめて送ってもらうため、予約せずカートに入れっぱなしで置いといたところ、発売日数日前から2度ほど「予約停止」と「発注可能」を行ったり来たりして、発売日当日に「販売休止」になり、そして、次の11巻が出た後まで、ずっと取り扱い中止のままに。

結局、大手書店のカウンターで他の支店の在庫を取り寄せてもらい入手したのだが。

 

つまり本作はわざわざ他社からコミックスを引き取り、出しなおして、かなり金かけてしっかりしたアニメ作ったにも関わらず、アニメ放映の真っ最中、そこそこ手ごたえも得て、2期も決まってるのに、紙のコミックスは店頭に潤沢には並ばなかったし、ネット購入もできなかった。

というか、普通はアニメ放映中は予算かけてなさげなアニメであっても原作コミックを書店の平台に場所を確保してPOP立てて販促に勤しむのだが、本作、川崎の近隣書店ではそういった動きは一切なく、角川のお家芸であるはずのメディアミックス連動が書店店頭では全く機能していなかった。

 

以下はこちらの憶測。

出版点数を増やしすぎ、在庫管理ができなくなりつつある。本来、アニメ1クール終了直後で視聴者の反応が良かったなら、店頭に全巻平台で並べてまとめ買いを期待しても良さそうなものだが、そうなっていない。次のクールに始まるアニメ原作に関心が移っているという判断かもしれないが、そこそこ予算使って、できたら看板作品に育てたかったであろう作品で発売日に取次品切れで4か月放置である。売る気がない。

また、おそらく、WEB電子書籍での販売比率が上がるにつれ、倉庫を圧迫する紙の書籍が邪魔者にされつつある。出版点数増加したら倉庫がパンクするのは容易に想像がつくわけだが、世の中の趨勢が電書に移行しているから物理的な書籍は不要という判断が上層で働いたのだと思われる。

書店で平台に並んでるのを目にするという広告効果は切り捨てられたわけだが、これによりメディアミックスは事実上崩壊したと思われる。スマホ画面を食い合う以上、電子書籍もアニメもWEB広告も別媒体にはならない。TVで見て、街中広告を見て、新聞広告を見て、書店の店頭で見て、という異なる場でもって複数回を目にするのは「流行ってる」ことになるが、スマホ画面上に収まったらそれは体験として同質、単一メディアだ。メディアミックスは消滅し、アドバンテージを持っていた書店流通を切り捨て、スマホ上で消費される他のあらゆる競合と同じ立場だけが残った。

作品を増やしすぎた結果、見切りが異様に早くなったとも考えらえる。実際に見た視聴者には面白いと好評だったが、それ以上の話題作にはならず、跳ねなかったのは確かだ。だから「このぐらいだろう」と見切られた。予約段階で一、二度の品切れと再入荷はあったようだから、取次の当初の想定数より売れていたはずだが、発売日には品切れ終了、増刷は見送ったわけだ。アニメ2期が決まっているのだから多少は余らせても再度の売るチャンスは見込めただろうが、1年先まで在庫を積みたくないという判断が優先された。

と、そんなところか。

 

本作は、他でなかなか見れないオリジナリティの高い、それでいて情報過多でなく読みやすい貴重な作品だと思うし、できれば人気が出て売れてほしいと願う。

せめて大手書店系列に平台用の宣伝POPぐらいは配ってやってくれ。

 

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store.kadokawa.co.jp

比良純香「自由気ままな精霊姫」KCx

類似作としてはアニメ化されている「父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。」と設定や展開はほぼ同じ。

完全に人間の上位存在である精霊の女王の娘として生まれた主人公だが、諸般の事情で人間に虐められたりしており、彼女を虐げた関係者全員、超越的な力でザマァされていく。

「父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。」との違いは現時点で7巻まで出ているコミックスの、殆ど全て、主人公を虐げた者たちへのザマァというか天罰の描写に終始してること。「ヨハネの黙示録」の最後の審判の描写と「神曲」の地獄階層の責め苦の描写をやってる感じ。ちなみに配信されているWEBコミックサイトによっては「過激な暴力描写があります」と注意書きがついている。

7巻までの時点でタイトルの「自由気ままな」や表紙の絵柄から連想されるような、ほのぼのほんわか描写は、ないわけではないが、ほぼ脇。いちおう7巻でケリはついたと思われるので、この後はイチャゴロラブが描写されると思われるが、なんつうか、ここまでゴリゴリの天罰と滅びと永遠に続く苦しみの描写をがっつり描いたあとに、イチャゴロが楽しめるのかはわからない。

 

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pocket.shonenmagazine.com