長森シナリオ

 シナリオの文面は、今となってはやはり安い。そして、最初にプレイした当時は、ヒロイン目当てで突き進んでいるわけで、やはり受け入れられるものではなかった。
 基本的には陵辱ゲーのなりそこないなんだと思う。だって世間の普通のカップルを呪ってみせたり、恋人同士のクリスマスは特別なんて言っちまう長森てめえもソコラの安い女どもと一緒かその純情とやらを踏みにじってやる、なんてのは普通に陵辱ゲーの言い分だ。
 だから逆に言えば、未遂で終わり長森ごめん許してなんて展開を人間的成長とみなし創作的に肯定するなんてのは、結果的に陵辱ゲー否定、フィクション批判になってる。

 あるいは、こーゆー言い方。
 PC版『 To Heart 』のマルチが主人公のことを「ご主人様」と呼んだシナリオエピローグの是非、みたいな議論。マルチと主人公を愛し合う二人とみなしたい側としては、「浩之さん」という呼び方であって欲しかったのだが、シナリオライターはあえてメイドロボ的に「ご主人様」と呼ばせました、みたいな話。http://imaki.hp.infoseek.co.jp/old/g9905b.htmlあたり。

 自分とのクリスマスを期待してる長森をクラスメイトに襲わせるてのとマルチが「ご主人様」と呼ぶことに違和感を感じるてのは、「純愛エロゲー」という線上において全く同じもので。

 ちなみに、エロシーンでマルチは「おもらし」をする。ちゃんと感じて忘我の状態にいたってますよ、という主張として捉えることを意図してなければ、マルチシナリオでのみ「おもらし」をさせる、なんてことはしない。そのへん総合すると「おもらし」と「ご主人様」は語尾に「〜にょ」つけるようなものなのだけども。

 まあ。なんだ。分かりきってる結論だけど、陵辱ごっこもまたいつもの悪戯やきちゃない描写の延長上でしかない。