6日の続き

 あと、技術屋に対する批判は今後絶対に必須だと思ったのが「るい智」体験版。もう叩く気まんまんでhttp://ruriko.denpa.org/にリンクして書くが。

 とりあえず、この「話が完結して終わってる体験版」を提示して、さぁ買え、て時点でディレクターの正気を疑う。デビュー作だしそこんとこ大目に、というのが世間の判断なんだろうけど、シナリオが「共同体が出来るまで」というところで終わってるので、これはつまりノベルエロゲの現状の最悪の病巣が剥き出しになった代表例だ。つまり、ノベルエロゲの現状のスタイルから導き出された「日常」が、何も解決されないまま「共同体」へとシフトしてる。アクションあり波乱万丈ストーリーなのに、恋愛しなきゃいけないわ主人公と複数ヒロインをまとめとかなきゃいけないわでワザワザ非日常のために集まった面子でもって「日常」であるような共同体に仕立てなければならない、そのため展開はかったるく体験版は本筋に入る前に「前日談」をこなして終わりとなる。「あやかしびと」も似たような「かったるい展開」で学園日常まで長いシナリオを読まされる。同じところで躓いてるのだ。普通に冒険しつつヒロイン全員と次々とセックスしてけばいいだろと言っても「主人公は一人だけでヒロインごとのシナリオ」は大した根拠もなく維持されっぱなしである。一応シナリオ分岐しないとゲームじゃないから? ひぐらしで終わってるよ、そんな言い訳。要するに、分岐なしだと売る自信が持てない。

 んでさ、頑張ってるのなと感心したのがシナリオライターの文章で、ウィンドウの枠内で完結する文体で演出だかの今の諸事情で文章がぶった切られてもいいような形をわざわざ選んでるのにさ、そういう努力を理解しない同業者からバカにされるのな。んで、そーゆー文章に守られるようにして、ようやく「紙芝居で演劇的な演出」の登場ですよ。頑張ってるのも技術的にえらいのも判る。判るが、とりあえず往年のジャンプの編集に見せて「で、それ、どう面白いの?」とツッコミ入れてもらったほうがいい。その動きはテーマとどう繋がってるの? 人間が走る時もっと激しく上下に動くのに何で横にスーッと流れるだけなの? そもそも何でカニ走りなの? 技術的限界? じゃあ何で動かすの? 走ってるフリ? 笑いをとるためのパントマイム? 真剣? それ真剣さの演出になってる? ああ全く言い足りやしない。