反対。

http://d.hatena.ne.jp/K_NATSUBA/20080908#1220983489

 同監督の作品繋がりで『メメント』やら『プレステージ』やらの系譜をでっち上げて『ダークナイト』を読み込んだとすると恐ろしく退屈なストーリーが導き出される気がします。や、それぞれの話はそれぞれ真っ当に面白いけど、混ぜ合わせた場合って話ね。ネタバレしちゃうと終わる話ばっかなんで、さしもの僕も詳述は控えますが、繋げていった場合の文脈形成的に

>トラウマがあるのでワルくなりました、という物語をなんかいい加減な形で展開してファックするアレな人

 というのは多分出てこない解釈じゃないか。てゆか、そういう読み方してんの日本の一部だけじゃねえかと思うんだけど。(海外の感想読んだわけじゃないけど)

 今回だけ色々と偶然と諸事情が重なって、そういうふうに読めるように(そんだけの人間的な深みのようなのが出て)上手いこと転がっちゃったんだろーなーと。割と貴重な奇跡的配合なんじゃ。

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 なんつーか読み込む順序が逆だと思うのですよね。アニメやビジュアルノベルだったら映像情報の乏しさから逆算的に時間の反復や過去のトラウマ、ストーリーから人物を浮き彫りにするとこに追い込まれるかもだけど、実写映画の登場人物だったらさまでストーリーに頼る必要がないしトラウマ語りも必須じゃない、TVで流すときはCMカットされる。(そんで心あるファンからブーイングを受ける)

 川邊一外先生が某講義で「回想を多用する脚本は原則論としてダメな脚本だ」という観点からドラクエ8やFF10のシナリオをザクザク斬ってたんですけど。時間的に過去へと立ち戻るのは基本よろしくないてのが時間が過去から未来へ一方的に流れる映画系統の大原則として。一方で、映像物としてはその真逆をやって、一方的に時系列的な意味で過去へ遡り続け、土地や事物の広がりへと拡散されて人間としてのまとまりが消えてくのが分岐ノベルの極北としての『 Kanon 』路線ですよね、と脱線しつつ。

 んで同じ監督のビギンズが逆にバットマンが誕生するまでのトラウマ話で。今回の来歴語りていう「文芸的な読み筋」をジョーク、あるいは「二択」にして観客に投げつけてくるとゆーのは、割とこー、軽く深読みできてしまう。なんで真面目に作りこんでシェイプアップしてくとすると、けっこう色がたくさんついてきてしまう部位なんじゃないか。