演劇的、の話

 批評業界のジャーゴンを無反省に使いまわされるのが一番ありがたくない。ずっと映画と演劇の二分割の世界観で生きていくんだったらエロゲの話なんかしなきゃいいのに(出てくる結論は決まってんだから)と、いつもの結論。

 で、例により何でも落ちてるニコニコ動画から「スノッブホイホイ」のタグがついてる『 Forest 』プレイ動画。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm121435
(コメントにネタバレあり非表示推奨)

 まんま「ピーターパン」の例のネタを持ち込んでたり、見た目はかなり「演劇的」なのを目指してみたエロゲの代表例なのですが。まぁ、かけた労力が全く報われないのの典型で。元長信者系日記じゃないと出てこない名前とゆーかー。売れなかったんだし役に立たない例とゆーかー。鋼屋ジンとか那須きのことかが喜ぶのは判るけどー。「演劇的ならこーゆーのがあるぜ」と主張すらしてもらえない程度の認知度とゆー。

 上の画像は一番おいしいとこなので、実際のゲームではもっと普通のAVGっぽい、下の表示と喋ってる台詞が一致してる画面も多いです。見れば判るけど立ち絵も男女の掛け合い漫才も関係ないつーか、音声と文章と画像とを衝突させて対話させてこうというのがメイン。あと凄い素朴なくらいTRPG丸出し。「演劇的というよりTRPG的である」て説明のほうが合致すると個人的には思ってる。深入りするとTRPG系のネットバトルに巻き込まれるのですが。

 で、一番問題なのは、『 Forest 』って2004年発売のパッケージ版だと、こーゆーことをやってるくせにオートモードがないのね。今のDL版はオートついてるらしいけど。オートモードでの鑑賞に特化してる『白詰草話』あたりと比較すると、台詞のタイミングを狙ったとこに合わせてくのが出来なくてオートを断念したのか、それともあえて手でクリックしていく感覚を残すためにオートを外したのか、そのへんが大問題になってくる。

 てのは、手でクリックすると微妙に引っかかる演出なんですよ、音声と文章とを対話させるのって。ニコニコでダダ見したほうが乗れて気持ちがいい。でも一方でプレイヤーを巻き込もうていう意図が演出にきっちり詰め込んであって、プレイヤーの手でクリックさせたい気持ちが相当にあったんじゃないかと想像したくなる。ダブルクリックしないと文章を読み進められないシステムが良いとか与太ってたのは元長柾木だったけど。