なかやすみの続き(ヲイ

>いくら本部からノウハウを提供して貰えるとしても
http://www5.big.or.jp/~seraph/mt/000411.html

 あー、その発想がトラップ。うんこ踏んだ。フランチャイズという手法の「ノウハウ」とゆーのは、なんつーか社会幻想みたいなもんです。「成功してるという事実」によって「本部のノウハウ」が裏付けられることになるけども、その「成功」のためには「構造的搾取」が必須。それが実際には効率の悪い(一店舗あたり年間数百万の売れ残った弁当やおにぎりや肉まんやおでんやフランクフルトを捨て続ける類の)手法であっても、その効率の悪さを高校生バイト雇うの必須みたいな低賃金労働集約でカバーしとくことで「本部のノウハウ」は傷がつかずにすむ。だから、何度も書いたけど、基本的にカリスマ経営者を崇める宗教なんですよ。マルチ商法だって最初に考えた本人は共存共栄で皆が幸せになれると思い込んでたでしょ。ローソン社長みたいに信じて夢だけみさせてくれそうな相手だったら俺だってまだ信じてたいもん。そのほうが幸せだし。

 本部のノウハウなんて、そこらの本屋で経営ハウツー本買ってれば済むようなもんでしかないのは、今さら誰だって判ってるでしょ。常識的に考えたって店を構えての小売業の経験値は個々の現場にしかたまるわけない。俺が小学生の頃から見慣れてしまってるからかもしれんが、それにしても情報氾濫社会の今さら、数千万〜数億の金を払う価値のある「ノウハウ」なんてあるわけねえじゃん。

 あと、POSレジデータはね、どうやったって、「10個仕入て5個しか売れなかった」ていう、売れ残った事実しか教えてくれないんですよ。「午前10時に入荷した5個が11時までに売り切れた」からといって、10個仕入れて12時までに10個売れるとは限らない。余分に仕入れて売れるかどうかの判断は、実際に来ている客の顔やコミュニケーションやの、本部に吸い上げられることのない現実から掴んでくしかない。本部データなんて言うほど価値はねえです。

 ただし、TVCMでイメージアップ、がガンガン流され、さらにコンビニに買いに来る消費者に対しても「フランチャイズのノウハウ」が喧伝されることで、「ノウハウ教」をみんなが信じられるという効果は実は大きい。日本人全員が日本語を喋るのと同じぐらいに誰もが信じて疑わない「ノウハウ」の中にいられること、それ自体が「ノウハウ」の価値なんだ。