なかやすみ

 目を通しました報告。

<a href="http://www.amazon.co.jp/%E3%82%BB%E3%83%96%E3%83%B3%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%96%E3%83%B3%E3%81%AE%E7%BD%A0-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E4%BB%81/dp/4906605621/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=books&qid=1258444772&sr=8-3">渡辺仁「セブンイレブンの罠」</a>

 万が一にも読んじゃう場合は、週金なのでそのへん承知して読むよーに。知る限り、取材されてることに嘘はないけど、基本的には悪者を作ってやっつけないと本にならないので悪者がいます。そのへん個人的にはうけつけません。

 普通に言っても「俺の力で起業してイノベーションやろう!」とか「俺様の筆力で百万部だ!」とか考えたら「俺が全責任をもって巨大なことを成し遂げる以上それで人が死んでも仕方ない」ぐらいには誰でも頭の切替えをするようになる。誰でも他人の自殺ぐらい気にしなくなる。なのでファミマのオーナーが抗議の焼身自殺、セブンのオーナーが自殺したら共済保険のかなりの額がセブン本部に入るつっても、「犠牲はつきもの」「負け組はかってに死ねば?」はフツーの反応だ。身内でもないかぎり、人が多少死んでもあまり気にならないもんである。

 なので、この手の、悲惨な死に方をした人がいる、から書き起こす本の作り方とゆーのは、見た目がセンセーショナルで読みやすい入り口にはなっても、それ以上のインパクトは出てこない。クラナドで渚が死ぬのは「プレイヤーを泣かせるため」てのと同じ。

 個人的には、コンビニていうフランチャイズ小売の最大の「歪み」は企業利益をシステマティックに突き進めていくと需要と供給の関係が寸断されアンバランスになってく点につきる。川上の情報が川下に流れないので、需給の調整はきかない。

 この本で指摘される(今までにもみ潰されてきた)いろんな「法律に抵触する」「一方的な搾取になってる」部分は、なんで法律でそれを規制するか社会問題にしないと拙いかつーと流通の効率の観点でそうなんで(たとえばオープンアカウントに高利息がつく問題だと、仕入れの支払に利息がつくと実質的に仕入れ価格が都度上下するわけで、総トータルとして商品価格が安定せず流通網維持にコストがかかり末端消費者に届く額も上がる)、それを本として論議するのは無理にしても、読者側で咀嚼してかないといけないなー、と。