エロゲの声

 とりあえずエロゲーの台詞というのは基本的には声を聴くものであって演技を聴くものじゃない、てのがあります。演技といってもいろいろあるだろうけど、いわゆる劇で台詞を言うようなのじゃない。

 最初に、登場人物の間で会話を繋げていくものじゃないてのが一つ。台詞の中身は客のほうを向いている率が高い。より説明的である必要があるし、よりアピールされているべきだし、より甘えてねっとり絡み付いてくるべきだと言える。つまり、

>富野キャラはみんな、ひとりごとを言っているのである。そう喝破したのは北野太乙だ。誰もが自分のために、自分自身に確かめるように喋る。それは確かにモノローグなのだが、しかし事実として確かに交換される。べつのいいかたをすれば、他人のことばの「意味」とは、それを聞く者に不可避的に訪れる、記述的に最後のものである。
http://d.hatena.ne.jp/imaki/20070120#p1

 これの逆。程度問題ではありますが。

 言ってることから漏れ出てしまう何かのために声の演技はあるけれども、発言内容から何かが漏れてたら拙い。ヒロインが言ってる台詞というのは目の前のプレイヤーキャラクターに向けてるのが大半であって、声にならない声が滲み出てたら、つまりプレイヤーに含むところがあるってことになる。それはセックスで心も身体も一つになって快楽を得る予定の相手としては萎える。少なくともセックスシーンで感じるに至るまでには相手のトラウマは暴かれ悩みは解消されてないといけない。