世代交代とか

 DBとJOJO、ワンピを比較する最も簡単な手は血族の扱いじゃないかなと。少年である主人公は物語り作りのセオリーとして「親なし」。「少年」のジャンル枠組みがもっとも重くのしかかる設定だが。エロゲの主人公は糞真面目な話を除くと「たまたま旅行・出張でいない」程度のが多く、親なしで育つことで幼少から主体性を持たされるような少年誌主人公とは別と考えたほうがいい。

 ルフィのじーちゃんは海軍。とーちゃんは世界政府打倒を目指す革命家。息子は海賊王を目指す。頑固な祖父と対立して出てった父、孫には大甘補正がかかってるっぽい祖父。で、父親の存在すら意識しない主人公。「D」は、巨人族も入ることから単純な血のつながりではないらしいことも仄めかされてる。

 DBは本編の展開では世代交代するかと思われながら結局は「孫悟空の物語」に舞い戻り、結末では魔人ブゥの生まれ変わりをいわば養子にとる。悟空が大人になってからはセル編まで「サイヤ人の血統」が物語の軸の一つ。

 世代交代自体は源氏物語からあるけど、対比に良さげなのは『ときめきトゥナイト』。江藤家の三世代の恋愛物語を扱い、あげくに『ときめきミッドナイト』ていうパラレルワールドで江藤蘭世の物語を描いてる。まるきりJOJOを追いかけてるようにしか見えない。でも『ときめきミッドナイト』の開始はSBRより先んじてる。面白いのは蘭世の両親が意外なほど出番が多くて活躍してて最初から「江藤家の物語」なのね。んで恋愛相手の真壁俊を蘭世が赤ん坊から育てるあたりも独特で、あのTVアニメのOP、EDから想起される恋愛模様の描写は薄め。恋愛薄めのエンタメとしてのラブコメを引き受けてたわけです。アダムスファミリー由来だからつーのもあるんだろうけども、一つの可能性としてこーゆー路線もあったのよ、ということで。

 あと『闇のパープルアイ』の、主人公が薬で意識を奪われている間に敵役にレイプされて生まれた子供が次世代の主人公、てのが漫画の世代交代では印象が強い。

 そのへんふまえた上で、ジョジョはイギリス貴族の家柄からスタートしながら親子の関係が次第に変化してくあたりを押さえとけばいいかなと。