強姦されて

 やおい、BLで「強姦されてハッピーエンド」(http://kaoriha.org/yuriron.htm)の形式が強い勢力を持っている、てのを論じてた方は、最近はそーゆー話をあまりしなくなった。

 基本的には、レイプに何らかの反応を期待するという意味でハッピーエンドもバッドエンドも変わらない。物の見方次第。ストーリーという構造そのものが強姦を意味づける。「好きとか嫌いとか」いう二項に載せられた時点で、暴力の行使そのものについて問われなくなる。
 これはゲームシステムとの係わり合いにおいても同じことで、SM行為にパラメーター数値が関わってくれば、そちらに注目が向かうのでセックスの内容はとりあえず脇に置かれることになり、プレイヤーは安心してエスカレートする暴力に没頭できるようになる。逆に言えば、陵辱ゲームを楽しむことと陵辱を行うことは当然ながら一致しない。

『悪夢』はゲームシステムも物語もないままレイプだけが丸投げされる。面白いかと問われれば面白くないと答える。こーゆーのは、やったもん勝ち、という程度の代物である。ただ、このへんやっとけば、物語やゲームシステムに落ち込み回収されてしまう陵辱ゲームが純愛ゲームと同程度には芸がない、ぐらいのことは言える。程よく社会性なり自我なりに整合できちゃう陵辱ゲームは、シナリオや表現自体は小説や漫画やAVでこと足りる内容にしかなりえないんで、あとは純粋なグラフィック勝負というふうに単純化できるし、その方向性は正しいと思う。