劇場版文学少女

 開始5秒でドン引き(主にBGMが理由)、1分でスクリーンに靴を投げつけようかと思った。上映中、靴を投げつけるのを思いとどまった回数は計3回でした。

 おいらは幼少のころは、本をバクバク食う子だった。ポプラ社の児童書やら小学校低学年時の教科書やらは、どれもビリビリに破れた状態で本棚の奥にしまいこまれている。

 ちなみに例の人生なギャルゲーは大嫌いだが、一ノ瀬ことみには逆らえない。やはり本が好物だから、というか本で餌付けされてしまったので。

 こうやって、各所でよくネタにされるあたり、別に珍しくもない性癖だと思うのだが、なんで本食うの他の人に秘密なのん? そのへんから微妙に噛み合わなかった。

 ことみは最初に出会ったとき「一緒に食べる?」つって本のページをくれた。つまり、自分の食事を分け与えてくれた訳である。いってみれば、プレイヤーキャラクターである主人公をすっ飛ばして、直接プレイヤーである俺にお揃いおかずの手作り弁当を手渡してくれたようなもんである。だもの、ズギュゥゥゥゥゥンてな感じで俺が篭絡されるのは仕方ないといえる。どうして? どうやって俺の好みを調べたの? 「そんなの造作ないです」(ぺかっ)「好きだからなのです」とゆー趣旨のコンタクトが交わされたの。それはもう運命。

 対するに、文学少女さんは一人でハムハムと食っちゃうわけです。「おいしいよ?」と差し出してくれません。自分さえよければそれでいいというわけです。ひどい扱いです。俺のことを奴隷か何かだと思ってるんでしょうかざんげちゃん。ちっくしょう。