あーバカらしい

 この世界のソラは、彼女の見ていた空じゃねえし。彼女とあんたは、何の関係もねえよ。

 そういうふうに、あんたら、率先してなんもかんも、切り取っていったじゃねえか。

「空」を、その先に繋げられたはずのものを、ねじれて手前らの嘴で咥えて巣の中で後生大事に抱え込んで。何かに出会ったから、じゃねえよ。自分で潰してったんだろ、「面白いもの」だか「感動」だか知らんが、そんなもんを。

 とりあえず。「俺は何にでも興味がある」という口癖の奴は、身近によく知ってるのだが。

 当然、目に入らないものは、入らない。英語読まないから英文学なんざ読まないし、ラノベもアニメも見ない。というより、「作り話は興味がない」と公言しつつ「大河ドラマは本当の話だから」と言っちゃう。彼の知るセカイの範囲でのみ、「何にでも興味がある」わけで。まぁ、誰でもそうだ。

 自分の知る世界がセカイの全てだと思える態度じゃないと、生きていけない人や、生きていけない生き方というのはある。生きていけないなら、死ねばいいとは思うが、そうもいかない事情というのも世間には山ほど存在する。それはそーゆーものだ。が。

 タダ単に、「何にでも興味がある」が口癖な人だよね、という話になっちゃえばいいのだが、鬱陶しい。要するに、他人の生き方や考え方に興味ないしそもそも視界に入らないし検討にすら値しないつー趣旨を、他人に向けて撒き散らし主張しているのだから。

 ンなことを、わざわざ何度も繰り返さなきゃいけないほど追い詰められたとこで、全員俺と同じ視界と同じ思考態度で話せと、誰もが見ているけれど、誰も見てくれないような場で、怒鳴ってる。コンビニで考え方のフォーマットを組み立ててきた、結末つーことなんだろう。

 なんつーか、ああなったら人間おしまいだよと、後続の人には忠告しておきたい。