解説の、その2

 実をいえば、『ToHeart』の主人公である藤田浩之(もしくはプレイヤー入力名)については、製作サイドから「浩之は本当に何でもできるスーパーヒーローとして造形していた」という発言が、各所で何度も繰り返されており、実際にあちこちで活躍もしていて、その意味では『ToHeart』は実は「できそこないのダメ主人公が、なぜかモテまくる」というフォーマットではない。

 性的な意味で大活躍なのもその延長であると考えれば、いざとなれば大活躍するスーパー能力の持ち主という意味で、東鳩の浩之は『雫』『痕』の主人公に準じた造形だ。まぁ、ゲームの主人公というか、普通の「物語の主人公」というのは大半がそうだと言ってしまえばお終いなのだが。

 一方で、Keyは基本的に「いざとなればスーパーヒーローとして大活躍」じゃなく、去勢されてるといっていいダメっぷりを披露する。そのへんの相違はきっちり認識されるべき。