解説のその3

 とりあえず。

「日常」という空間と「非日常」という空間の対立図式に気をとられると、意外と「ヒロインが非日常だけども生活空間は日常のまま」の部分の対立軸を見落とす、という指摘だけは最低限こなしておこうと思って、わざわざログを引っ張りだした。

 ヒロインが非日常をひきつれてきて、もしくはヒロインが主人公の手を引っ張って非日常に招きいれて、といったわけでなく。そうした「ヒロインだけ非日常で舞台もストーリーも日常」では、ヒロインがセカイの色を非日常に染め直す、わけではないこと。

 じゃ、「よつばの視点」によってセカイの色を非日常に染め直していると言えなくもない「よつばと!」の「日常」って、あっさり「日常」と書いていいのか、というあたり。

 じゃ、エロゲの「日常」は、どのあたりのでヒロイン色に染め抜かれることになるのか。それとも、ヒロインはただ「日常」の中で一人の非日常として孤立するのか。

 たとえば、『ONE』では、ヒロインは、忍者や超能力者や超絶金持ちではない(かわりに身体障害者だったりするが)のだが、そこんところと「日常と非日常」の区別のできなさは、連動してると見るべきだろうか、といった話をしてみたり。

 個別に読みぬいていくべきは、そういう話じゃないのかねえ。