金持ち喧嘩せず、という話

 えーと。

 素子さんやリコさんがジョーカーさんを相手にしてくれるだろうか。

 前にも書いたけど、ジョーカーさんは基本的にはチンピラで、「なに、しかめツラしてんだよ」は「何がおかしいんだ、ああん?」みたいな決まり文句の裏返しです。ネタとマジが裏返ってますと書くと、ネットの文章についてネタかマジかで書かれた内容に何か決定的な差が生じてるとか思えてしまう人たち(ネタですよネタ、釣りですよ釣り、で何がしかの免責が得られて、マジっぽいと免責が得られないと思える人たち)においては、凄く大変な設定だと思えるのかもしれませんけど、現実にはネタだろうがマジだろうが、大して違わないです。銃で人を殺したという事実だけが問題。

 公安9課や社会福祉公社の組織や装備の維持費用とか考えると、チンピラを真面目に相手してもしょうがない。ジョーカーさんは彼女達から見て狙撃される価値すら認められず名もない警官や警備員に取り押さえられるでしょう。彼女達がターゲットにするのはジョーカーさんを実際に雇ったマフィアや非合法に手を染めてる多国籍企業の組織丸ごとです。

 逆に、ジョーカーさんのような存在を真面目に相手にするほどに、スーパーテクノロジー武装した戦闘美少女さんたちの存在基盤のリアリティは崩れて陳腐化していくでしょう。つか、そこんとこが今のスーパーヒーローが直面してる不可能性とゆー奴では。ある日突然空から落ちてきた女の子にスーパーパワーとスーパーロボットを与えられた少年だったら少しばかり周囲に損害を撒き散らしたとしても自分の意志の赴くままに正義の味方を名乗ることが出来ます。彼がジョーカーさんと大真面目に対決しても彼のリアリティは揺らぎません。ですが、多大な予算で運営されるスーパーテクノロジーの結晶たる戦闘美少女さんが町のチンピラを退治するばかりでは予算カットの対象になるでしょう。普通の警官100人雇うのがいいじゃん、と。

 もちろん、戦闘少女のバリエーションである泉巡査と帆場の「対決」というので映画が一本できてるわけですから、そゆのを回避する手段はいくらでもあると思いますが、それを考えるなら帆場のキャラクターにばっか焦点あてるよりか普通の意味でのプロットやシナリオを絡めて考えたほうがいいような。