取立て業務

 不景気とは売掛回収のために相手先社長宅の呼び鈴を押す回数が増えることです。つっても本日は売掛金じゃなく家賃回収のため30秒ごとに呼び鈴を押す、かける10回だか20回だか、という単純作業に従事してきました。ここんところ仕事が芳しくないと仰る。大変でしょうけどそれと家賃が遅れてるのは別ですよね。マンション維持管理費用トラブルのニュースがバンバン流れてるから判っていただけると思いますが、鉄筋コンクリ建物を補修維持するのにも何百万も何千万もかかります。毎年税金もかかります。この不動産余りのご時世、部屋が空いたら家主といったって無収入ですから相場を無視した家賃を踏んだくってるわけでもないんです。丸儲けじゃないんです。来月の5日ですね、話をきいてくれてありがとうございますね、よろしくおねがいいたしますね。

 こーゆーのは仕事というのかなー。そんなん不動産屋と賃貸保証会社に頼めって? そうね、そういうのも色々使っても、結局は自分でピンポン押さないといけない状況って普通にあって。

 つか。家賃は遅れてもマンション前にタクシー呼びつけてるからさ。こっちはいつでも駅まで歩きだっつの。単に金勘定の能力がないだけじゃね? とか思うよね、ね?

 金の回転の感覚に対するズレというのは上記でも理解してくれると思うが、時間の回転の感覚のズレ、人間関係の回転の感覚のズレ、会話の回転の感覚のズレ、てのが全部絡まってくるとけっこうめどい。60過ぎの生産者相手の節季払い感覚(うちから仕入れた苗が育って市場で売れたら代金を支払う予定、けど値段がつきませんでしたからまた数ヵ月後まで待ってね、とかそーゆーの。さすがに二、三人だが)につき合わされてみたりすると割と。

 自分が基本守り姿勢だから特に思うが、世の中全般が守りに入ってるのを若い子ほど敏感に察知して自分も守り体勢に入ってるとは思う。エロゲ屋は今自分らの悪仕事の始末言い訳しか出てこない。例えば涼元シナリオハウツー本で「現状はこうだからこうするしかないのです。んでそのときの切り抜けスキルはこうです」と書く。ハウツー本のスキルの出所は確かにそーゆーもんだろうが環境の悪さが如実に出てる。つか考え方が小説書きシナリオ書きのスタートラインからなので「通常シナリオとゲームシナリオの間のギャップの埋め方」という発想に向かい先に発展しないスキルばかり並ぶとゆー。