ちょっと絶望的な気分に陥った話

 Prismaticallizationで琴原みゆという小6の子がいる。P17nは夏の1日を繰り返すのだけれど、みゆだけは繰り返すことに気付いていて、そのことを主人公に「すべてが重なって見える」という言い方で説明し、そうした見方をする自分を離人症と分析してみせたりする。重なって見えるということは、過去が薄くて今が濃いというわけではなくて、同じ時間を何度も通っているうちの一度であるような感覚なのだろうけれども、このへん解説も堂々巡りにしかならないのだが。

 で、ふと気付いたのだが、いわゆる「同じ時間を繰り返す」タイプのゲームのシナリオを、一応は二桁以上やってるのだが、みゆのように今起きている状態についての五感の感覚を何とかして言葉で他人に伝えようとする努力を、他で見たことがない。あとはONEの「えいえんのセカイ」ぐらいだ。水月だと主人公は最初から最後まで仕組みを意識できない立ち位置にいるので、女の子らがそれっぽいことを上手くたとえ話にして語ってみせるのを解釈するしかない。(全てを見ているはずの少女は盲目)

 にしても、どれもこれも、オリジナル理論や衒学風味の解説やどっかから借りてきたガジェットは山ほどあるのに、それを今目の前にしてる人間がどう感じてるかの第三者的意見を述べすらしなかったのかとゆーのが、改めて絶望。ハナからダメ扱いで避けてる田中ロミ雄あたりでそういう描写があるのだったら、メールで教えて欲しい。

 で。

 枕が長くなったが、ループゲーて、時間がまともに流れているわけでもないのに時系列の感覚がガッチリしてる登場人物ばっかだよな、というのが言いたくて。100回周期前のループと今のループとのどちらが前でどちらが現在なのか、時間の前後感覚がきっちり把握できてて、彼らの主観の時間は全く揺るぎない。大脳生理学だかを反映させろなどと言う気は全くないが、「時間のループ」なる概念を持ち出してゴチャゴチャ弄くってるにしては、えらく雑な扱いなのではないか。

 というのを、二次元の少女について処女とか新品とか中古といった形容をしてるのを眺めてて連想した。

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 まぁ二次元の少女じゃなくて一次元の少女について語ってるんだろなと。そっちは比較的どうでもいいのだが。