内海課長の話

 漫画版パトの内海課長は、実際のとこ会社でナニやってるのか判然としない。いやまぁ、実際会社組織なんてのは看板と中身はフレキシブルにグチャグチャになってるもんだとは思う(整然と並んでたら役所だ)のだが、フィクションで見た目と中身が判りやすく整理されてないというのは、それなりに変な話だ。

 えー言いたいのは、何でゲーム作ってたんだろう、という。実際のとこ出会いのシーンだけに使われただけで、その後はほぼ死に設定だし。

 ライミ監督のスパイダーマンでの新聞社長さん、ダークナイトジョーカーさんと立ち位置的には被る。社長さんはニューヨークという現実世界を舞台にした作品でのメディア代表。一方は虚構世界の上にベタッと張り付いたレンズの染み(であることに抵抗する男の子)だ。

 でまぁ、劇場版パト1の帆場氏が、まぁ虚構そのものであろうとした(つか最初の押井プロットだと実在しない扱いの人物だったらしいし)のに対して、パト2の柘植さんは演出家。つか、歳食ったあとの柘植さんの顔、今見るとややもすると宮崎駿に見えたりする。白髪と眼鏡ってだけなので気のせい99%だけども。

 メディア(媒体)の自意識の置き所のようなのが、わりとそれぞれ違うのだけども。それらに対して内海という人は、TV局に電話こそすれ自身は報道関係者というわけでもなく、ゲーム製作の人という肩書きもどっかに置き忘れ、どころか、ぶっちゃけ途中退場してたりするし。ゲーム「メディア」の代表というふうには、モチロン展開しなかった。なんなのつーと、失敗したキャラなんだけども、失敗してるとこも含めて変なリアルとゆーとこにいて。

 一方のオシイキャラが、士道不覚悟つーか、作中用意された座席を疑いもしないのだけど。東京の繁栄は虚構に見えるのかもしらんが、自分自身が虚構かもしれないという疑いは持たないでいられる(自身を虚構になぞらえてみせるてのは自分が揺らいでないわけで)立ち位置なんですよね。エンタメの悪役だからそれで構わないのだけど。