妄想続く

http://d.hatena.ne.jp/NaokiTakahashi/20070629#p1

 さて。簡単に言えば、過去のシーンで水月がやたら出張ったために単純に「今の女、現実の女」に帰属させづらくなった、と言える。まあ結局は制作上の都合にシナリオが振り回されたというだけの話だが。ポルノであることを根拠にするなら、むしろ交通事故なんてイベントの導入は単に下手なだけだ。身体のやりとりでドラマを作るべき、つーか、「交通事故は失敗だった」て思いがあるから「交通事故のなかった別の展開」を作ったんでしょ。

 僕の感覚で言えば、高校時代の3年前のセックスすらしなかった恋人なんて、所詮は思い出の女だ。それが復活してきて関係を迫ってくることにリアリティを感じるのは「プレイヤーがついさっきまで3年前を体験していたから」なんで、そのへん、語りの詐術で上手いこと処理をしてる、というレベルだと思う。できれば彼女の行動の背景にもう少し追い詰められたグダグダ感を与えたい。

 ということで、茜は「水月が遙を突き飛ばした」て噂を半信半疑ながら信じてて、シナリオ的には孝之が水月の秋波とヒステリーに嫌気がさして遙とよりを戻すのを決めたあたりで男友達から「真相」を聴いて「やっぱ水月を大切にしなきゃな」と思い直したあたりで、孝之の思惑と関係なく茜と水月のバトルが勤め先のファミレスで発生、水月が追い詰められた末に水泳部やめた真相をこれみよがしに茜にぶつけ、勢い余って「孝之のためを思ったの」とか恩着せがましい言い方で自分の優越を公然とアピールしてしまい、むしろ孝之ドン引き、そこで居合わせた大空寺がパン焼きどうこうと偉そうに説教、水月グーで大空寺を殴り、

みたいなのが、よかったな。ないものネダリだけど、さ。

 あと、体験版から約2ヶ月のブランクは、体験版をやったプレイヤー(僕)にとっても遙を「過去の女」にしてしまったと思ってる。一通りの妄想SSを仮想体験した後では、もはや、そこまでして義理立てるような女には見えなかった。体験版があったからこそヒットしたが、まあ、そのへん、良し悪しいろいろ。発売延期が、実は割と痛かったのだ。