アージュのダメなとこって。

http://d.hatena.ne.jp/hasidream/20070528/1180367336
http://bmp69.net/mt/archives/2007/05/age_1.html

 そんなん、コンシューマーでとっくに終わった「シェンムー」の夢を追いかけちゃう勘違いなセンスに決まってんじゃないですか。小粒な作品のマルチシナリオの雑多な分岐展開と、長大な本筋に依存する一本道主義とを混ぜて議論したらダメでしょう。

 長大な「本筋」の中に「猥雑さの快楽」を入れ込む能力がない。小説や映画であれば、そうした統合させる技術が本来のシナリオ作成能力だと思う。
 ついでに、「本筋」なるものが分岐するノベルゲームのシナリオにあるという思い込みを批判する能力がない。結果自分達のやっていることを「本筋への嫌がらせ」程度に矮小化して捉えてしまう。

君が望む永遠」のテストプレイで、全員が「本筋」である遙や水月のシナリオに流れずサブキャラに流れるんで、後付けで初回プレイは必ず「本筋」にしか流れないよう制限をつけた、てのが典型で。枠組みを先行させて成立する戯れ。どっちかというと自分達の美学の中での「美しさ」に閉じこもりたいクチに見える。

 あとまあ、僕が書くのもなんだけども、「TypeMoonやKeyがどちらかといえばロマン主義・物語寄り」ってのも、随分な決め付けだ。CLANNADの網羅主義を見よ。

「本筋」に「イヤな展開」って言うのなら、いま僕が再プレイして死にそうになってる『ONE』の長森や椎名繭のシナリオの「本筋」における厭らしさのほうがシャレになってない。「知恵遅れ」の子供の寝込みの身体に悪戯して、そのままセックス、そのまま感動のハッピーエンド、なんて展開を仕立てて他のシナリオと混ぜ込んでみせる手口って、猥雑そのものだろう。
 ONEの後も、君望みたいのはCLANNADの藤林姉妹でもアージュより手際よくやってたし。Keyはロマン、アージュはリアリズムてのはKeyは手際がいい、アージュは手際が悪い、の間違いだと思う。陵辱なんて単なるロマンでしょ。
 そして「手際の悪さというリアリズム」の極限としては『 Fate/hollow ataraxia 』ていう悪趣味の極みがあって。自分達の用意したファンディスクの「百科全書的」大量シナリオを指して「飽きた」てのは一つのリアリズムの極みだと思います。バカだけど。

http://d.hatena.ne.jp/REV/20070531/p1

「強度」て、その程度の話だと思うよ。「本筋」に全部を注ぎ込むこと。