「ぼくらがここにいるふしぎ。」

エロゲーレビューサイトや日記サイトを探すと、不思議なぐらいに叩かれ気味です。「面白くない」「消化不良」「ボリューム不足、短い」「作りかけで発売したんじゃないか」などなど。
多分、発売した時期が悪かったろうな、とは思います。もう2、3年ぐらい前に発売されてれば、あそこまで不満を述べられることもなかったんじゃないかしら。この頃はもうエロゲ業界は「大作志向」「感動させれ」もしくは「エロシーンの充実」が必須とかそんなんで。あと、東センセや元長御大のご活躍でエロゲの分岐シナリオだったりメタフィクションなシナリオだったりていう形式への過度の思い入れがエロゲの感想をネットに書く層に強く影響を与えてて、不必要に小難しいものを有難がってるてのも文章に見え隠れしてて。「これは21世紀の新しい文学形式なんだ!」とかそーゆーの。そんな捩れが温存されたまま、てゆか着実に勢力を伸ばしつつ現在に至ってるわけですが、そのへんの流れを本作は全部スルーしてしまっています。
話の作りは普通。花とゆめコミックスを読みなれてる層からすると、全く普通。あのへんの少女漫画のテイストがそのままといっていいほど忠実に過不足なく再現されてます。これ以上の何かを付け足したら蛇足でしかない。
 
先日に書いたように(id:tdaidouji:20050413)、この作品は立ち絵と背景という画面構成ではありません。そして、選択肢は用意されていますけれども、選択肢の持つ「意思決定」的な要素は排除されています。最初に選択肢のない形で二つのメインストーリーを展開し、そのメインストーリーを一通り読み終えさせて後に、その二つを中心とした幾つかのサブストーリーを絡ませあう形で選択肢が提示されます。プレイヤーはメインとなるストーリーを予め読み終えているため、ゲーム攻略的な意味合いでの選択は全くなされません。ここでは、話の流れが枝分かれしていく、つぎはぎのような「分岐」しかありません。

半徹夜が続いてて眠いのでここまで。続きは後日。