萌えとは

萌え=SF=微分
やおいカップリング)=ミステリ=積分
 
「ミステリ=やおい積分」は納得しやすいのではないでしょうか。殺人事件における犯人と被害者の関係は攻めと受けの関係ですし、「攻め側×受け側」の書き方で表記されるやおいの「かける」の部分は積を表しますから積分にも通じます。
また、萌えライトノベルの次の受け皿を標榜してるらしいファウストという雑誌がミステリ作家さんメインなのも、萌えからの再構築の手法としてやおいカップリングを採用したと考えれば判りやすいかと思います。このように読み捨てフィクション市場は微分積分を繰り返し、ちょっとづつズレていくわけですね。
 
「萌え」は大雑把に言うと人間中心主義です。メディアごとに「人間」の定義の進行度合いが異なるのですけど、先鋭化してくと意思を決定する主体うんぬん、になります。これは納得しづらいかもしれませんが、たとえば半獣半人や「綿の国星」的猫少女が分解されて「猫耳」となり、エルフが分解されて「エルフ耳」となる記号萌えというやつをイメージしていただければ理解しやすいかと。原型となる人間体形と付属部分との組み合わせという考え方は、人間の形が基本形として抽出されるのが前提となっています。
妹萌え姉萌えは他者との関係性が中心となっているように見えますが、むしろ関係性の根拠を相手の素質に求める態度ですので、これも人間中心の捉え方であるといえます。むしろ厄介なのは幼馴染萌えで、最も原形質で未分化な、自他の区別のつくかつかないかの境界線上から生じた他者に「萌える」という行為は、上記の分類で仕切ることが困難です。