高河ゆん

 今の腐女子やおい高河ゆんは、微妙に違う。つっても、外から見たら同じだろうけど。

 ここの言い草になぞらえるなら、高河ゆんは中間期で、時代を切り開きつつも微妙に後に続いてない、葉鍵みたいなもんである。

 二つに分けるなら、昔の少年愛とかに感化されてた頃のはPC98時代のエロゲーで、完全にファンタジー化して開き直った感のある現状のジャンルやおいは、とらハプリホリはじるす、あたりが切り開いてきたエロ複数回当り前実質ストーリー無し萌え抜き兼用エロゲー路線、といったところ。

 例えば、エロゲーの「鬼畜」と「純愛」なる分類は、やおいの中の「ゲイ」もの(本当のゲイを取材してるわけじゃなく、心理劇と同性愛が連結してシリアスに語られがち)と「ソフトBL」もの(昔の量産読みきり少女漫画の男女関係を男男関係にしてみただけで、同性愛であることの異端性は作中で全く問題にされない、といった)の大まかな分類と、ほぼ重なる。ジャンルとしてファンタジーでありつつ差異化、といった。

 で、そーゆー市場が確立したあとに細かく内部で嗜好や方法論が分岐してく前の、市場が膨らむ大きな流れの中の決定的インパクトとして、なんかJUNE系譜とは言いがたい独特すぎる高河ゆんが出てきてわぁびっくり、みたいな。神保町や御茶ノ水の漫画コーナーで高河ゆんコーナーがずーっと平積みで維持されてたりしたわけです。

・その他。上記とは関係ないけど。
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よしもとばななが登場したとき大島弓子によくなぞらえていて、私は全然違う、大島弓子じゃなくて高河ゆんなんだと思った
http://d.hatena.ne.jp/laco/20060703
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 という発言は、多分、あまり言われない文脈だと思うのでリンク。僕は小説とか読まんので「へー、そうなのか」と思った程度だが。