劇場版AIR

個人評を述べておきますと、劇場アニメーションとしては大画面で見るにはちと厳しい作画的、演出的キズ(ラリってるとしか思えない目の泳いだ晴子のアップ、腰の弱い止め絵など)が数箇所見受けられるものの、要所要所は原作に忠実な作品です。改変部分はホームページの説明もしくは予告編などで既に触れられている、予想のつく範囲内のもので、観た直後の感想は「筋としてはむしろ予想していたより遥かに原作に忠実」でした。一番の弱点はどう転んでも「夏」ではないことで、そしてそれが最も焦点となるところid:imaki:20050213#p1なのですが、それすらも実を言えば神奈の話がクローズアップされることがわかってしまった時点で予想できるので、見に行く側としては何の問題もない代物ではあります。平安絵巻と夏って相性よくないんですよね。厚着してるから汗疹や吹出物の心配しなきゃいけないし。ゲームのほうでもSUMMER編はタイトルと相違してぜんぜん夏じゃなかったし。未だにアレがなぜ「SUMMER」なのか理由がよくわからないです。

「青空」が空回りしていると書きましたが、ゲームにおけるあの強制的に意識が毟り取られる感覚、晴子の叫び声がうっとおしく、「青空」が呪わしく、「ごーるっ」のイベントCGが空々しく、観鈴の言葉が全く耳に届かず、そこに至る時の流れの全てが忌々しい、というようなことはありません。