中村カンコ「うちのメイドがウザすぎる!」(アクションコミックス)

コミックス10巻で完結。

アニメの出来がめっさ良くて沼倉愛美キャラベストぐらい好きなのだが原作も最終巻まで笑える内容で継続、良かった。

ロリに対する世間の風当たり的にギャグ作りづらくなってないかなと余計な心配もあったが、ロリとギャグは本来は相性いいのである。なぜならマンガのロリってつまり記号性の高い、抽象的身体だから。というか、劇画ではない、記号性の高い絵柄に性的意味を見出す運動を指してロリコンという語を当てて取り上げた経緯的にも、ロリという概念には抽象へのダイレクトな感性を常に含んでる。それを現実の児童のリアルな身体や生態で覆う形式が表面的に支配的になったんで話がややこしくなって現在に至るが、ロリキャラの構成要素の重要度としては、より記号度の高いほうが求められてるのは現在でも変わっていない。要するに、おそ松さんの六つ子の基本キャラデザに骨格や筋肉、内蔵を求められてないのと、ロリキャラは同じ位置づけにある。つうかミッキーマウスの等身を指してロリコンと呼ぶかという話だ。

身体のみならず、精神面でも、幼い、つまりオブラートに包まずダイレクトな物言いをしてもいいのでギャグに便利なのがロリキャラだ。「ママー、あのお兄さん変なことしてるー」「しっ、見ちゃいけません」な。最近一番わかりやすいのがチコちゃんの造形、あれがつまりロリキャラのギャグ適性の典型例だ。そんでチコちゃんみたいなクソガキにカウンター食らわしてやりたいという批評行為の営為として、昨今ジャンルとして定着した感のあるメスガキ概念があるわけだが、本コミックのミーシャもまさにメスガキの先駆とも言える良キャラで、メスガキにカウンター入れる系の王道の一作だったと思う。