倉田英之のいる風景としてのメイドインアビス

メイドインアビスって、たぶんオタクていうコトバの概念のコアなとこを作ってるんですよね。縦方向の移動なんだけど向かう先が上じゃなくて下方向なのもそうだし、ワイヤーアクションギミックのロボだし、ロリ絵でエロだし。
ロリ絵柄、ていうか「劇画以前のマンガ絵柄の身体」がゲロ吐いたり血を吹きだしたり死体になったりするとこがてんこもり。こんな手塚治虫以来のコアな伝統をしっかりと引き継いで現代の技術で作り上げてくれる。オタっていうと萌え的な記号とかナンカいろいろと裾野が広がったけど、原点がちゃんとここにあるんだな、って再確認できたのがメイドインアビス
んでね。そこにちゃっかりと倉田英之がいるんですよね。
他のスタッフ的にどんぐらい被ってるのかしらんけど、ああ宇宙ショーのオタク以外のなにものでもない感じを思い出すなあ、て。倉田英之がいるからオタク的なのか、オタク的なるものだから倉田英之が呼ばれたのか。どっちか判らないけど、リコがゲロ吐くたび、ロリ絵柄がギャアアアアアって苦痛にのた打ち回るたび「ああ倉田英之がいてくれてるもんな」っていう。
別に倉田英之の作風がそうだって言いたいわけじゃないです。ただオタクのオタクたるところの基本的な立ち位置を確認するようなメイドインアビスの、その深淵を覗き込む導き手が倉田英之であるのが、ものすごく納得いってしまうっていう感覚。これはいったい何なんだろう?