『My Merry May with be』PSP版やって後悔した件

いや、判ってても携帯機で遊べるからってプレイしちゃったりしたオレが悪いんです。ですが。
判りきっててもクソ移植ってのはダメでした。
元々、KIDのDC用ギャルゲって、PS2に移植した時点でいろいろダメなんですよ。KIDはDCとPS2が対決してた頃、おそらくは機材の都合か何かでDCでしかソフトを出してなくて、んでDCがだんだん負けがこんできたあたりでPS2でも出すようになったんだけど、DCのギャルゲ向けな性能に頼ってたせいか、DC自体に癖があったり、PS2じゃDCの2Dグラフィック性能に負けてたりするせいか、いろいろ追いついてなくて。そんなPS2版からさらにPSPに移植してるから、劣化が酷すぎて。
まず音割れが凄まじい。元々DCの時点で気になるギリギリのあたりに音割れしてます。圧縮の都合なんでしょうけど。そのデータをPS2に持ってきたせいでしょうかね? でも他の移植じゃここまで酷くないんだけどね。
次にグラフィック。PSPに移植したとき、もうちっとデリケートに加工できなかったんでしょうか、ってぐらいに線が雑。PCエンジンかPC98時代から持ってきたのか、ってぐらいに雑。むしろ昔の2Dグラフィッカーの技が途切れてるせいですかね、こんなカクカクなのは。
次に画面構成。DCの4:3の画面をPSPの16:9に無理矢理に押し込んでるんですが、その方法が、元画面の上下をカットして、メッセージウィンドウは文字が読めるようにするためか、大きくとってあって、結果として立ち絵やら何やらの顔がメッセージウィンドウに隠れまくる。昔のコンシューマー機のギャルゲ―ですからリップシンクで口パクするんだけど、その口元がウィンドウで隠れてるのは酷い。いや元々がマイメリって「立ち絵芝居」をかなり初期にやり始めた代物で、当時、驚くぐらいにキャラが画面内で「芝居」しまくってたんですよ。そのせいもあって、DCの画面のレイアウトギリギリに動いてたのが裏目に。
「立ち絵芝居」の多さも、PS2の技術を習得する前に強引に移植したせいか、処理がたいへん遅かったりする。
んで、これまた仕方ないのだが、シナリオの「改悪」。いや本編は弄ってないんだけど、「with be」としてシリーズ2本をまとめるにあたって、Q'tron代表であった長井知佳という人が細かくオマケを付け足してるんですね。で、困った事に、この長井さん、会社経営とか仕事を請け負うとか人を差配するとかの部分は知らないけども、シナリオというか文章が、根本的なレベルであまり上手くない。つうか、マイメリのメインライターであった西川真音が「with be」製作の頃には既にQを離れてて、長井氏(基本的な骨格はこの人が考えてる)が自分の基本設定を元にいろいろ書いてしまったのだが、結果、元シナリオと追加部分で言ってる事が違ってる事はなはだしく。つまり西川がシナリオ書いてる時点でかなり自分色に染め上げてたという話になるんですが。
 
まあグダグダと愚痴りましたが、ファミレスで遊ぶ用に買ったんだけど、耐えきれなくなって自宅でDCを数年ぶりに起動してしまいました。
そしたらさ、DCの高性能ったら! なにこの高速スキップ能力! なにこの描画能力! 完璧じゃね? もう他のゲーム機全部いらなくね? いやホントに。
つうか、やっぱり文章うまいなー。すごい読みやすい。今のエロゲのライターさんが制約が多すぎたり分量かせがなきゃだったりで地力が落ちてるのかもしれませんが、それにしても読みやすいし楽しいし。レトロゲーしかプレイしない人たちの気分が判っちゃうわー。