フラクタル感想

 あの片手落ち感はなんだろう、と思い。

 人体改造への布石がまるきり欠けてるなあ、とか。ソラから落ちてきた少女がフィアナっぽく見えるシーンがあったので、余計に。

 アニメの歴史において、別にサイバーパンクとか言わんでも強化人間とか山ほどいるわけで。

 たとえば子供の頃、破裏拳ポリマー見てると、その前にキャシャーンを見ていた文脈もあって、ポリマーの人間としての身体そのものが変形しているものだと思い込んでいたわけです。
 そうすると、フレンダーにしてもポリマーにしても、アニメのメタモルフォーゼらしい流体めいた変形なんですけども、それがタツノコの劇画タッチの描線、筋肉の固さと、見事なまでに衝突して、生半可じゃない人体改造の背徳感、骨と肉の溶けて交じり合って固まってく感覚があった。
 しかもポリマーの場合、改造人間じゃなくてスーツを着てるだけですから、普通に着ているものに肉体を侵食されていくエロスと恐怖というのを、正義の味方の側がまきちらしていたわけです。まあ、子供ならではの誤読なんですけども。

 俺にとって、日本のアニメを見てるときに画面から湧き出てくる欲望の源泉というのは、そのへんにある気がするので。