誰に何を伝えたいのか

>コンベンショナルな技術の集積で革新的な「車両」が製造され、大ヒットしたこともあれば、革新的な技術が導入されても、技術史上に「○○が初めて搭載された」と名を残すのみだったりすることを思い出した。
http://d.hatena.ne.jp/REV/20100124

 そういう事例のハナシについては、「大ヒット」は「無名の多くの人たちの支持」が受け持つことなので、そんなことをイチイチ各個人が引き受けて書いてもしょうもない。というか、それは「わたしであることをなくそう」とか「わたしの名前を消そう」という方向への欲望の発露。もちろん、そういう欲望をかかえる俺みたいな連中も一定数はいるけど、個であることを主張したい若者向けのハナシにはならない。

 ヒットしてることを指して「ヒットしてる」と示すランキングは既にして十分すぎるほど充実してるし、ヒットさせたい向きのためのランキングも既にして十分すぎるほど充実してる。それを、わざわざブロガー個人が書くメリットはオフ会の友達を増やすのが目的なので、「非モテがモテるための技術」のほうに分類すべき。もちろん、モテたいために大ヒットした車に乗るという選択肢はありうるし、モテるツールとしての作品価値は、「感動した」だの「泣いた」だの、あるいは文学的価値だのと比較して劣るわけではないが、それは誤解やミスリーディングのないように「モテるのに最適」とレビューに書けば済む。