百舌谷さん

 例えばの話、百舌谷さんのような言動を意識的にネット上でのキャラ立てに用いてきた人がいるとする。例えば、リアルの彼もしくは彼女は樺島君のような容姿だったとしよう。例えば彼もしくは彼女が長年に渡り周囲に当たり構わずド低脳のクサレ脳ミソとかナメクジブタとかサスカッチ顔とか言ってきたとする。

 例えばの話だが、そんな彼もしくは彼女が「百舌谷さん逆上する」を読んだ場合、どんな感想を抱くだろうか。きっと「金髪ツインテール八重歯の小学生は何をやっても何を言っても可愛いなあ、私も百舌谷さんのように可愛らしいロリ少女になりたいなあ、そしたら私もネットアイドルに(r」と思うのではないだろうか。もしくは至極単純に「ハァハァ百舌谷さんハァハァ百舌谷さんハァハァ百舌(r」と(r

 ……んなことばっか言ってるから自分の書いた文章を見て唐突に泣き出すとか訳のわからんことになるんだ。

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 メイド/ウェイトレス話の続き。

 かつてのウェイトレスであることがレゾンデートルであるようなキャラクターがいなくなり、現在は「キャラクターがウェイトレスの制服を身に着けている」「ウェイトレスの仕事を偶々やってる」に移行してて。

 一方で、かつてメイドは「制服を身に着けること」「メイドという職業であること」だったのが、今だとメイドであることはキャラクターのレゾンデートルになってて。

 それは、なぜメイドではなくメイドロボをギャルゲーの転換点として見出したか、という話で。てのはマルチもセリオも、ゲーム中でもアニメ中でも一度もメイドの服装をしていないのにメイドロボだから。

 マルチシナリオは「ロボット」の部分を焦点として語られてきたけども、じゃあ「メイド」の部分はどうかつーと、恐ろしいことに全力スルーされ続けてきた。にも関わらず、それは単にロボットであるというだけでは足りずに、メイドロボでなければならなかった。ロボというガジェットが愛されすぎ、使い古されすぎて、「ロボットアニメの終焉を迎えた1995年以降のポストエヴァ」だったりする(つーか勇者シリーズ以降)、「メイドロボ」が全部まとめて意味を掻っ攫って。

 メイドの格好をしていないメイドロボが外縁からメイドを変えていく。

 ……てのが、根源的問いかけが内包するアクチュアルなメイドニズム的問題意識のコンテクスト、っぽく見えなくもなく。