続き2

丁寧に、と書きましたが、人型犬の生態は、基本的には私達の現実社会の犬を忠実にトレースしたものになっています。食事の味付けは人間より塩分控えめでないとダメ、子どもの生まれ方や寿命もある程度まで同じ。そして犬達をとりまく社会の側も、基本的には現実社会と変わりません。飼い主がいて、犬は親よりも人間の飼い主(リーダー)に従う、血統が大事にされ、ブリーダーが存在し、警察犬などの作業犬がいて、もちろん保健所もあります。人型犬の存在は、こちらの世界でははるか昔から、人との共存関係を築いてきたものとして扱われているわけです。
現実の犬との違いは、人間の姿をし、人語を理解する(言語能力は犬種によって大きく違うとされる)ということだけです。

次に、「ネコっかわいがり!」との共通点。これも明白です。「わんことくらそう」は犬猫の発情期、「恋の季節」を物語の舞台として用意します(ネット検索で調べたところ、現実の犬猫の発情期とはかなり異なります。特にオス。つまりカイエのそれは人間の思春期男子がモデルでしょう)。エロゲーだから当然といえば当然でしょうが、これは次に書く予定の「ワンコとリリー」が発情を題材にしていないのと比較すると、冒頭に引用した「あざとさ」と呼ばれる気配が捉えられてくるのではないでしょうか。
話が先走りましたが、発情をどう扱っているかについては、公式サイト(http://www.ivory.co.jp/product/game/wanko/wanko_nazenani.html)を見てもらうのが一番早いでしょう。「本能に根ざした欲求で、避けては通れない」ことを了解することが求められる。社会性と本能の比較的明快な対比を機軸に、人型犬の発情の問題は扱われることになります。