アラブの春から眺めるグランブルーファンタジー騒動 その5

その1 http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20160225#p1
その2 http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20160226#p1
その3 http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20160229#p1
その4 http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20160303#p1
 
からの続きです。
アンチラ騒動のコマかい話になります。
 
 ・誤認させるCMを流したのか
「アンチラが入手できるとCMで流しつつ、実際には数十万円を投入しても手に入らないなんて酷い」という非難について。
 

ゲーム内容を知らない人に対する宣伝として、ガチャの低確率のキャラクターを売りにするのはいかがなものか。
いくらゲームとして内容がきっちり作られていたとしても、広告はゲーム内容を知らない不特定多数向けのもの。
不特定多数に対し、数十万円を払っても手に入らないキャラをアピールするのは不誠実ではないか。

と。
これは、一般論としては妥当に見えます。
 
 ・CMのキャラは、3000円で入手できる
では実際にはどうかというと、グラブルの場合、新規登録の人向けに、そのときのガチャで入手可能なキャラクター武器(もしくは召喚石)を、ひとつだけ自由に選んで入手できるスタートダッシュチケットが購入できるようになっています。
例えば、CMでアンチラ(もしくは他のキャラ)が「手に入る!」と宣伝されている期間中に、「あのキャラクターが気になる」と思って新規登録した場合、3000円のスタートダッシュガチャを購入すると、ガチャ本体を引くのとは別に、付いてくる交換チケットでアンチラを選んで入手できるわけです。
 
スマホゲームなんて基本無料なのに、最初から3000円を払わせるの?」という意見はあるかと思います。
グラブルはそれにも対応していて、ゲーム開始時にスタートダッシュ期間の購入を見送った場合、2、3カ月ごとに、同内容のチケット販売が復活します。そのタイミングで購入しても、新規登録時のガチャ内容のキャラクターを選択できる。
お試しで半年ばかりプレイしてみて、改めて「課金してもいいかな」と判断した場合、CMで宣伝していたアンチラを選ぶことができる。
 
つまり、「CMにつられて始めてみたら、何十万もかけないとCMのキャラを入手できないなんて、ひどい誤認広告だ」という事態は、実際には発生しません。
どうしてもCMのキャラが欲しいという人向けには3000円で確実に入手できる、そのための仕組みが最初から用意されている。
9万円ですらありません。
検索してみても、「3000円でアンチラをお迎えしました」という人は、けっこう引っかかります。
 
 ・「CMに騙されて数十万円を投入する人」は存在しなかった
まあ、上記の3000円チケットは、あくまでTVで流れているCMのキャラが気になったときに、手元のスマホでとりあえず始めてみる人向けのサービス内容です。
例えば、CMを眺めてから数日が経過して、ガチャ内容が変わったタイミングで新規登録した場合は、上記のチケットを使った入手は不可能となるので、のんびりしてる人には、上記の理屈は通用しないでしょう。
 
では、実際にCMの宣伝キャラが非常に気に入ってゲームを開始する人がいると仮定して、そのうちの、のんびり屋が、「今なら当たる!」というCM放映後に数日経過してから登録したとして、「いや、もうそのキャラの出るガチャ期間は終了しています」という話になって)から、「あのキャラが超低確率のガチャで数十万円まわしても出ない」と言い出すのか。
 
 ※スタートダッシュ入手期間から外れた時期に新規登録したということは、対象ガチャ期間は終了しているので「確率アップ表記の誤認」はありません。
 ※件のアンチラでいえば、そもそもフェス期間が終わった時点で、ガチャから出なくなっています。
つまり、「CMで誘惑されて数十万円を注ぎ込んだ」という事態は、少なくとも騒動になった1月初旬の時点では、発生しようがありません。
 
アンチラがガチャに復帰するときは、300回ガチャを回せばキャラ入手は可能となるでしょうから、この先も、そうした事態は発生しません。
300回の中にはゲーム内で無料で手に入るチケットや石も含まれますから、実際の課金額は9万円より大幅に下回ることも多いでしょう。
自分も、既にいるSSRキャラの育成にかなり時間がかかりますし、これからしばらくガチャは我慢して(それでも遊べる・戦力強化に向けてやれる内容はいくらでもある)、300回分溜めていこうかと画策中です。
 
「CMで流れてるキャラが、数十万円を投入しても手に入らない、ひどい」というのは、結局のところ、実際にはありえない話でした。実際には触れていない者による、扇動のためのフレーズでしかなく、実際の消費者の行動やそれに即したサービス運用とはかけ離れた、捏造に近い、誹謗中傷のための流言と言って差し支えないでしょう。
 
ということで、アンチラのためにガチャに数十万円を注ぎ込んだ人というのは、CM放映より以前からプレイを開始していたユーザーに限られることになります。
 
続きます。