触発されたので書いてみたよ。

これな。
http://lkhjkljkljdkljl.hatenablog.com/entry/2013/03/03/213830

うわあオッサン権力とか言い出したよ、という時点でかなりアウツだと思ったんだけどさ。
だって、いつもどおりに(俺がちょくちょくやってるように、彼に批判を送ってる連中はチラホラ見かけるが、オッサンは大概スルーする)無視すりゃいいのに、わざわざさ、こいつ組し易しと見て反応して、そんで権力とかレッテル貼りですよ。相手もまた単なる「書きたいから書いてる」というだけだというのに、自分は権利で相手には権力ですよ。屑じゃないの、て思うだろ、普通。

まあさておいてだ。
公共という概念でアレを非難するのは妥当だと思うんだけど、なんかgdgdな展開っぽいから、そっちはさておいて、適当に突っ込んでみよう。
まずまあ、「書きたいから」てのと、「書いたからにはより多くの人に読んでほしい」は、まったく別の話なので、分けて話を進めないといけない。ついでに言えば、「書きたいから」てのと「読まれるための工夫や努力」も別に関係性はない。それぞれは別だ。

けども、オッサンの中では、いかにも分けてるように書いて見せてるけど、全部くっついちゃってるんだよな。そうなっちゃうとさ、彼の言う「やりたいようにやってる」てのは、実は嘘なんだよね。
だって、読まれるような形に、思考も書きかたも特化させてるわけだし。

たとえば、「書きたい」だけなら創作小説だって何だっていいんだ。けども一人称ブログという形を選んで、反応が得られる形を選んで、というふうに、彼の「やりたいようにやる」は、衆目とのダイレクトな一致を求めてく要素が混然一体となってる。それで、彼の選んだ場所というのは、もはや誰しもが承知しているように、TVのバラエティ報道番組の延長にあるダラダラとした場だ。彼の立ち位置は、まあお笑い芸人がコメンテーターやってますよ、みたいな代物である。アマチュアかプロか、なんて誤魔化しちゃいるが、プロだって「やりたいからやってる」のである。プロとアマチュアの区別がなくなってくのがネットのこういう場であるというのに「アマチュア」などとタイトルに掲げて「自分は違う」と言い張る。彼は責任を負いたくない。ただそれだけで「俺はプロじゃなくてアマである」て言うのだ。

彼は「自分は」という逃げ道をよく使う。「自分はこう思う」「自分はこうしてる」とやる。これは他人になんか言われたときのためのガードだ。そうして個人主義という隠れ蓑の中に逃げ込みつつ、ほんのちょっと、世の中にチョッカイを出す。
別に彼に世の中を動かそうなどという欲望があるわけじゃない。単に、その形式のほうがウケるのだ。なぜなら、読者もまた彼と同じスタンスのほうが楽だからだ。「自分は」というふうに書かれていると、読者は安心して読める。読者について書いてないからだ。彼は読者の素行を批判したりしない。ラクだ。けれど、不況だ震災だと騒ぎ立てるご時世、ライフハック記事が何より好まれるご時世、今どきに、まるきり社会にタッチしない記事なんて、ウケない。「これは実際に起きた話です」って前置きすることで客を呼ぶってのと、理屈は同じだ。自分とは関係ない現実の別の誰かの身に起きた/起きること、なのだ。そっちのほうが、完全フィクションよりも読者が自分で引き受けなきゃいけない負担が低く親しみやすい。

下は、よく見てるなと思った記事。

タイトルが「単なる一消費者のわがままとして」なわけでして、そこから業界の展望の話に行くには、ちょっと考えるべきこともある。さしあたっては単にこの方が、そういうエロゲーほしいですという話であって、私が触手触手言ってるのと、究極的にはそう変わらない。
変わらないんだけど、巧妙に「一般的な話」を混ぜてるのがお見事と言いますか。社会人になって時間が……とか、かつてほどの熱意が……みたいな話ですね。トドメに、「この感覚は決して俺だけのものではないと思っている」という一言。
http://oyoyoiko.dtiblog.com/blog-entry-439.html

リンク先は褒めてるんだけど、まあズルい態度ですよね。自分は関係ないけど、と逃げをうちつつ、一般論としてそうだよね、というふうに共感でもって丸め込む。共感しやすいネタを拾ってくる、何が共感されるかを拾ってくる、彼はそれが上手い。

で。彼のそれは共感しやすいってだけなのである。そこには先に進む何もない。リンク先のエロゲの話でいえば、彼の言い分は雑もいいとこである。「エロゲが長すぎる」とか言うが、プレイするものが面白ければ長くても文句は出ない。彼だって長いなどと言わないだろう。けれど「俺にとって今のエロゲがつまらない」「もう飽きた」などとは言わないのである。そうやって丸く書くも「読まれるための技術」だが、しかし本質的な話でいえば、今のワンパターン量産のまま短くしたって何も変わらない。では彼はなぜそれを言うかといえば、もはや今出てるエロゲが大して好きじゃなくなったオッサンが世間の流行についていける程度に噛めるように柔らかくしてくれよ、という注文である。けどまあ、こういうジジイの独善に、若い連中ほどコロッといくのが、彼の文章のうまさである。

自分が気に入ったものについては各自で愛でれば済む話である。書きたいと思ったら好きに書けばいい。それは誰においてもそうだ。ただし、それは「より多くの人に読まれたい」を正当化しない。今回、彼は「より多くの人に読まれたい」を正当化するために、彼に楯突いた人間の「書きたいことを書く権利」に対し、権力などという、雑な言い方で攻撃した。
こういうのを周りがブクマで擁護するってのがね、彼が書くのを止めたほうがいい理由ですよ。

俺のモチベーションは?

知るか。モチベーションが下がるんだったら、その程度の「書きたい欲」なんだろ。