こくごのもんだい

次の文章を読んで、設問に答えなさい。

>「なんで!? なんでよ!? なんで、わかってくれないの!? 私は怒ってなんかないっ! そうじゃないっ! 最初っからそう言ってるじゃないっ! ただ私は他人が私の心の中をっ、」
大河は拳で自分の心臓をドン! と強く叩く。叫ぶみたいに声を嗄らす。
「勝手に想像してわかったような顔をする! それが嫌なのむかつくのっ! 私が竜児に怒っているって!? 竜児は自分のものって言いたい!? なによ……なんなのよ……っ! てめえらになにがわかるっていうんだ!? 私が竜児をどう思ってるかなんて、どこの誰が本当にわかるの!? どこの誰が知ってるよっ!? 誰にもわかるはずなんかないっ、だって誰にも言わないもん! ……自分だって、知らないもん!」
竹宮ゆゆことらドラ3!』電撃文庫2006年 p202-203)

上の発言をしているときの逢坂大河の心境を、次の四つのうちから一つ選べ。

1、大河は竜児のことが好きだが、ごまかしている。
2、大河は竜児のことを何とも思っていないのに、誤解されて戸惑い、かつ怒っている。
3、大河はとてもさみしがりやさんで、構って欲しくて駄々をこねている。
4、何も考えていない。


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自分が「脳内少女」を追い出してから、もう結構な時間が経ちます。もともと妄想で脳内に作り上げた異性というのはあまり常駐していなかったのですが、『Sense Off』『ONE』『AIR』の三連コンボと、『My Merry May』のみさおシナリオのとどめの一撃をくらって以来、僕の頭は「人間」をトレースすることをほぼ完全に止めてしまいました。

大河の言うことを真に受けて登場人物の気持ちを勝手に推し量ることを彼ら彼女らの尊厳の侵害だと考えるようになった、だと何か見当違いながらもカッコよく言ってる気がしなくもないですが、元から他人の気持ちを想像できない人間なのが、自閉したくなるような話ばかり読んで本格的に他人の心理を想像するのを止めただけのことです。傷つきたくないから傷つけない。

で、脳内で人間をトレースするのを止めると、人間じゃなくなります。身勝手な妄想であっても、人間の気持ちを想像してさえいれば、そのひとは人間です。たとえ一方的に傷つけるような側であっても、傷つけあう関係の中にいることは違いない。

ワンコとリリー」、もう少し詳しく書いてみたいと思います。