もののついで

先行作品に対する位置付け、としては『アトラク=ナクア』とか『リフレインブルー』あたりに近い気がします。
http://imaki.hp.infoseek.co.jp/200310.html#24

リフブルやってないのでアトラクとの近さとは何なんだろう、という話を。
アトラク=ナクア』のストーリーテリングにおける主格は学校という「場」そのものである、というのは前に書いた。異形の怪物である初音姉様*1が学校に結界を張り自分の領域を作り上げながら、最終的には学校という場に囚われていく。(かな子が学校という場の象徴的な存在であるという指摘は今木さんによる。)
まあつまり主格であると同時に枠組みである学校は滅びたりしないので、その意味では狭義の物語とは言えないように見える。しかし違う。
学校という言葉には好きな言葉を当てはめて構わないが、とりあえず僕はいつも通りゲームという言葉を充てる。
ゲームの主人公であると本人も読み手も錯覚していた初音姉様が主人公ではないことが発覚する、というのが『アトラク=ナクア』の基本的な構成*2だが、ところが最後まで、かな子も誰も、主人公としての役割を果たさない。ゲームが展開される場はそこに在るし、コマも動いているが、ゲームを律するルールも意思も存在しないという空白がそこに見えてくる。初音姉様や銀といった外部の存在が主格たろうと試みても、場に取り込まれて役割となる。
このような、人もシステムも埋めようとしないし埋めることも出来ない空白を抱え込んだまま存在しつづける閉鎖空間を僕は物語と呼んでいる。『アトラク=ナクア』と同じ形のものとしてはさんざ話題に出している『Kanon』がある。
問題は『アトラク=ナクア』と比較されているもう一方だけど、そんな話だったかしら。めんどくさくなってきたので考えるのやめていいですか。

*1:当方姉様の下僕につき姉様の呼び捨ては出来ません

*2:唯一のED分岐は奏子の視点による選択肢となる