赤松健「魔法先生ネギま!」講談社

ネギま!」の名簿はファイブスター物語の年表なんだと気づいたら、いろいろと腑に落ちました。FSSにおける星団暦が出席番号に対応してるわけですね。
まあ多少の違いはあって、FSSのほうは登場人物がことあるごとに未来視したり過去視したりして並列性を獲得しようとしてて、ネギまのほうは並列性は既に獲得してるのでネギ坊主をマガジン文法(旧劇画路線の延長上)に従わせることで生徒を時系列に配置してる。
この場合の時系列の配置ていうのは、コマの連結が時間軸的に見て一直線であることを含みます。まあ、オーソドックス・古典的な連結方式て意味で考えてくれればいいです。それ以外のコマ割なんかあるのかよと思ってる人がいたら手塚石森から読み直しとけ。
面白いかって言われたら、まあ好みを差し引いたらジャンプの『BLEACH』と同程度じゃないの、と。『BLEACH』の場合、どうもサンデー系(プチオタク文脈)から文脈を取り寄せてるっぽいところ*1が他のジャンプ漫画とのわかりやすい違いなんですけど、他誌の文脈をあからさまに取り込んでみせてる「ネギま!」に近いものを思わせます。単に手っ取り早い引用の系譜がオタク物っぽく見える時代になっただけ、とは思うんですが。
あ、お色気描写の文法が月刊マガジンの伝統そのまま引き継いでるのは好き。「Oh!透明人間」とか「ハートキャッチいずみちゃん」とか「ルナ先生」とか髣髴とさせるバタ臭いつーか泥臭いつーかマガジンは所詮マガジンだよな、という今更感が劣情を刺激してくれます。「胸キュン刑事」の緻密極まりない乳首の書き込みとコマあたりのキャラの情報量の詰め込みって完全に同列だよね。

*1:織姫と竜貴のモデルて「うしおととら」の麻子と真由子そのまま、志波家のあたりがどうにも安永航一郎っぽい、弓親がゆうきまさみを思い起こさせるキャラデザ、等々。まあ尸魂界編は殆どそのまま聖闘士星矢黄道十二宮編だし、虚や虚の仮面の業を背負った主人公(しかも自分の身長なみの大刀抱えてる)ていう設定は前に言ったとおりベルセルクだし、サンデーばっかじゃないんだけど。音楽ネタはジャンプの伝統かねえ?