非実在青少年を想う

 非実在青少年という言葉の響きに、僕がどれだけココロをときめかせたか、あなた方は知るまい

 それは、未来への扉だった

 それは、見失いかけていた、SFという概念を思い起こさせるに足る言霊だった

 それは、無限のフロンティアへと僕をいざなう、喜びと感動に満ちた叫び声だった

 いったい、ツツイだカンバヤシだホシだと、その空想と妄言を賛美された作家たちですら、非実在青少年という存在を見出しえたものが、いままでいただろうか?

 現実の児童より先に、実在しない青少年を保護しなければならない、そんな夢想が現前しようとしていたのである!

 セカイは、現実と幻想が逆転しようとしていた

 いってみればベルセルクでいう蝕が、鷹の降臨が、本当に、手に届くところまで来ていたのである

 なぜ、実現しなかったのか?

 漫画家ら既得権益の集団が、足を引っ張ったからだ

 非実在青少年の生殺与奪、すべてを牛耳る、クリエイターと称する連中が

 もう二度と、あのキセキはおきえまい

 あれから半年、あのキセキの残滓が再度提出されはしたが、似ても似つかない代物と化してしまった

 僕たちは、ほんとうに、あのとき反対してしまってよかったのだろうか

 いくら後悔したところで、時は戻らない