だから逆に

 トヨタどーこーで言うなら、いわゆる「交通戦争」のほうがしっくりくるか。一時期で2万人いまだ毎年数千人の死者が出てるのを異常とみるか当たり前とみるか。十数年前に某大学の講義つーかミニゼミでディスカッションの入り口として「交通戦争」を扱おうとしたら「交通事故で死ぬのは事故で仕方ないのだから戦争や貧困の問題と一緒に扱うなんておかしいです」と真顔で怒鳴った女子学生のひとは今どうしているだろうか。まぁ彼女のほうが多数派なんだろーなーとは思う。世間様だと「社会悪」と「必要な犠牲」がすごくきれいに分離されてて。んで、フランチャイズの契約やコンビニについては、このまま流されていって、オーナーの待遇がどーこーとゆーのも本人含めて「世の中にとって必要なコスト」という扱いで常識として棚上げになりそうな気がする。なんか忘れた頃にTVで特集やって、「コンビニオーナー密着1ヶ月! 過酷職場待遇で必死に生き延びる家族の絆!」とかそーゆーのを見て「うわあ大変だなぁ頑張ってるなぁ」みたいなので視聴率稼ぐような奴。いや、そーゆーのになりつつあると思うよ既に。

 逆にね、コンビニのオーナーの待遇が、まぁ、万が一に、法律で改善されたとして。24時間営業なんて、まずもって大半が続けません。夜勤二人を時給1200円で0時〜5時の5時間入れたとして1日に1万2千円。2割のオーナー粗利が得られたとして、その時間帯に6万円売って理屈上トントン。実際は大半の店で実質2割以下、酒タバコありチャージ75%だと1割どころか0.29x0.25=0.0725の利幅。んでさらに諸経費。9割がた夜は閉店するでしょう。地方で19時に閉める店だってかなりの率になるはず。ほとんど擬似コンビニと化してくだろうドラッグストアや酒の安売り店は現状AM10時〜PM8時程度の営業時間だし、今後はそーゆーのと本格的に競争しなきゃいけない店も多数になることを考えると、本部も負担する気なしなら、まずコンビニという「サービスの場」、あるいは「まちのセーフティステーション」だかなんだかは成り立たなくなる率が高い。各店舗の経営状態維持とゆー経済活動の大原則を度外視したところで本部がコントロールしてたからこそ公共性のような特異な性質が付与されたと言って差し支えないだろうが、そこに一般常識レベルの経済活動の原理を持ち込んだらどうなるか。けっこう、各方面に影響を及ぼすんじゃないかしら。