仮面ライダー1話〜

 本郷猛の最初のやつ。

 昔の特撮なんだから当り前なんだけども、猟奇趣味・怪奇嗜好が今の仮面ライダーと名前がついてたり平成特撮と名前がついてたりするのを見慣れた目からすると新鮮で、そうそう俺が子供の頃に見て子供心を順調に捻じ曲げてったりした特撮はこーゆーのだったよなー、と。へドリアン女王だってお茶目なノリで猟奇殺人バリバリやらかしてるとこに魅力があったんだし。

 ショッカーの女戦闘員が出てくるたび網タイツ強調されるカメラアングルで、改造手術つーと変態白衣がよってたかって上から覗き込んで、人が死ぬときは必ず溶解液で溶かされて、むやみやたらに赤い液体がドバドバ飛び散って、んでやっぱり、怪人がなんで「怪人」なのかつーと江戸川乱歩をキッチリ受け継いだ意味で「怪人」だったから、とか、忘れてたなーそのへん。漫画や何やを経由しちゃうと、こーゆー猟奇性みたいの実感として読み取りづらいつーか「石森デフォルト」と見分けがつきづらいつーかがあって、いや仮面ライダーていう素材がそっから生じてるから当り前なんだろーけど、それが特撮絵として猟奇趣味方向に明確に定まってたのを確認すると、なるほどガンスリ社会福祉公社は猟奇変態趣味路線から最初の一歩を踏み出している正統な意味での正義の味方の後継者なんだなぁ、と納得する。正しさなるものを身に纏ってもなお地に足がついてるのは社会から阻害されたもののみというとイカにもそれっぽいが、どっちかといえば変態怪奇嗜好がベッタリあやまたず息づいているセカイと正義の実践は分かたれない同じことの両輪といった。