話を戻すと

 ここんとこの東洋経済日経ビジネスその他。予想通りだが他社に比べセブンの反応の鈍さが際立つ。ローソンファミマ他で「問題が解決している」わけでもなく、抱えた問題を感じさせない程度に大企業らしい振る舞いが出来てるだけなのだが、それすら出来ないセブンの重症ぶりが痛い。

 クオリティの話だったが、品質の良し悪しはジャンルを区切るとこから始まる。「煎餅」の品質を追求しましたとか「ビール風味飲料のビールっぽさ」の品質を追求しましたといった。品質追求方針はひっくりかえすと狭い視野に引きこもる体質でもある。そこに「単品管理」という言い方を足すと「単品ではあまり美味しくないラーメンでもニンニクと胡椒と唐辛子をブレンドすることで、とりあえず食える程度には美味しくなる」という事実を見逃す。商品ひとつ単位と結びついて完結する欲求なんざ実際は存在しないのだが。んで今のTV芸能人の名前を使った弁当、スヌーピーポケモンの名前を使った弁当ていう商品開発の方向性が「食への追求」とやらの当面の答えなのだとしたら、割と末期的だ。「品質」を「ブランド」と結びつけることが出来ずにいるわけで、おそらく本気でクオリティという言葉を考えてしまったがためにセブンの客層本来の価格と折り合わず、どっちつかずになってる。Lチキがスナック菓子方向の味付けなのに対し、セブンのフライドチキンはいかにもフライドチキンらしい味で肉も分厚い。どっちが「フライドチキンとして」美味いのといわれるとセブンだろうが、コンビニで一品軽くつまみ食いする客層相手だったらLチキのジャンクフードらしさが強く滲み出てる味付けでいいだろ。パンにはさむ味じゃないと思うが。

 や、持ち上げたけどローソン厳しいと思う。何よりセブンが向かうべき方針を見出せないまま低価格競争で体力勝負に突入した場合、巻き込まれて利益を大幅に削られるのは目に見えてるし、体力勝負だとIY本部は圧倒的だし。マツキヨ提携からしてもコンビニ業態に拘らず可能なら新業態のイノベーターを目指したいと思ってるはずで既存のローソン各店舗の多くを「コンビニ以外の商売」に振りかえたいはず。けどもオーナーとの契約というフランチャイズ形式が足を引っ張り事業展開の速度を落とす。コンビニ業態が万全じゃないという今の論調を利用して既存オーナーを新業態に引き込みたいはずだが。さて。