7時から11時まで

 乗降客11万/日の京急川崎駅前の立食そば屋でも24時間営業はコストにあわない。堀の内の風俗だって日付がかわる頃に営業が終わる。クラブの夜どおし客が激減してる現状、頑張っても深夜2時を過ぎての営業は無駄だ。2〜5時の3時間だけでもバイト代を削れば経営は一気に楽になる。深夜にやることの大半(昼の準備つって掃除とか棚整理とか)は時給が安い昼にできるし、他も開店閉店前後にシャッター半分だけ開けといて集中してやれば済む(朝5時過ぎに開けてた昔はそうだった)。配送だって運転手に合鍵を渡しとけばいい(そーゆー配送手法を採用してる小売店は普通にある)。トラック行きかう幹線道路沿いでも道の駅や高速道SAを見れば判るとおり深夜営業は合わない。深夜アニメ見終わってさぁエロゲーのシナリオ書く前にコンビニで今日発売の漫画雑誌立ち読みしてくるかみたいな連中へのサービスなんざ金にならない。経営効率を度外視した場で24時間営業は成立してる。

 が、チェーン店の名前は朝早くから夜遅くまでという意味の開店閉店時刻だ。24時間営業は(マニュアル簡素化の意味もあるだろうが)極めて理念的な、イメージ最優先で掲げられてる看板だ。実際、「便利さ」と「均一なサービス」の具体的な正体を求めると「コンビニ」が他の店より便利でサービスが充実した業態であるてイメージの根拠など殆どない。

 365日24時間営業は、大型スーパーからはじまって巨大ショッピングモールに至る空間的拡大での充足に対し、最小の空間に付加価値をつけるため時間的拡張の帰結として採用されたあり方だ。んで地価がやたら高かった時代、24時間戦うのが成長と繁栄に不可欠で未来の完成形のように思われてた時代、にサービス競争の武器の常態として広まり、今は競合店とのサービス競争の手前、自分だけやめると言えずに採算が悪化したままズルズルと引きずってる。守りの手腕(そういやローソンカラーの青って呉と同じだ。イメージカラー赤の魏がセブンで緑の蜀はファミマか。ふむ)のローソン社長が24時間営業の見直しに積極的なのは当然で。今回のマツキヨ提携でもわざわざ24時間営業見直しが記事に盛り込まれ、見直しの呼吸を図ってるのが透けて見える。

 だがそれでも、時間的拡張を存在の根拠に組み込まれた営業時間が名前のセブンだけは、コンビニが「便利」であるという存在根拠への問い直しに応じられないのではないか。