面白かったし上手いし健全だなあと思った。
で、お題の谷川流との比較…全く並ばない気がするんですが。
ここで出てくる「萌え」とか「オタク」とかって外からの視点で眺めてるもので、言ってみれば「殺人事件の犯人の動機の真相に迫る」ていう路線の正統な延長線上で。
それ自体はアプローチとして一つの正しい路線だと思うのですよ。僕らは殺人犯の心理なんかわからないし、自爆テロ空爆が日常になってる国の人たちのこともわからない。でも、理解できるところから漸進してって、ピタリとはいかないまでも近い距離まで迫ることはできるし、そういう形でしか近づけないものは絶対にある。いかにもメタフィクションを思わせる手法も、遠くにあるものを引き寄せるために使っているように見える。
だから、これはこれで。
あと、タイトルになってる推理小説の書き方うんぬんは、非常に素直で、別に現状をくさしてるわけでもなんでもなく、やっぱり健全なほうに分類されると思う。