種村有菜「紳士同盟†」

種村有菜森生まさみのフォロワーなのは「神風怪盗ジャンヌ」の1巻を見れば誰でもわかりますが、何でか誰もそのことを話題にしません。気持ちはわかりますけど。
で、つーいーにー学園ラブコメです。ラブホテルみたいな尖塔がいくつも立ってるお城みたいな校舎でブルジョワな生徒会を舞台に今までの作品のブチキレっぷりがかすむほどの超絶ハイテンションで暴力ヒロインが猪突猛進ラブを撒き散らすという1ページごとに頭が痛くなること必至な内容です。制服のデザインが「聖はいぱあ警備隊」を思い出させるなぁ、なんて口にしたら若い読者の人たちに吊るし上げを食らいかねないので言えませんが、森生まさみの「はいぱあテンション」がまさか有菜っちに受け継がれようとは、と複雑な想いにかられてしまいます。いや、一時期は森生フォロワーって確かに何人かいたのよ? すぐに自分の芸風に変化しちゃったけど。にしても種村有菜作品に在りし日の「はいぱあ」の面影を見出す時が来るとはなぁ。いや種村有菜カレンダー2005も買っちゃったんですけどね。
 
ところで少女漫画ってどういうジャンルだと思ってますか。リリカルに文学的に? いやバカ言っちゃいけない。そんなのは二十数年も昔の大学漫研の幻想です。少年漫画とは別のベクトルで偏差値をぐいぐい下げるメディア、それが少女漫画です。だから種村有菜を語ることがいかに困難な作業であっても、それが種村有菜である以上は語らないと少女漫画を語ったことにならないんです。嘘ですごめん語るの不可能です。森生まさみとの違いは簡単に指摘できるけど。森生まさみは隠れ設定を作劇上あまり重視しないけど(「小林クン」はそのへんが半端に崩れてるので今ひとつ面白くない)、種村有菜は「実はこんな設定でした」と設定バラシをすればドラマになると思い込んでいます。それがどれほど唐突であろうとも。
……しかし本当にコレは。人としてなれるバカの壁の限界突破に挑戦してるとしか思えないわ。いや森生まさみもハイテンションで頭の悪い話を強引に押し切るのが魅力なんですけどね。ここまでチャレンジされて俺は耐えられるのかなぁ。