ロボ妹と変身ヒロイン

 森生まさみの漫画に出てくる。

 癒し系ロボ妹、学園内限定変身ヒロイン(男装)、こーゆーのをLaLaで書く必然が、たぶん、どっかにあったのである。ロボ妹は明らかに作者が癒されたがってたのだが。んで、打ち切られたのだが。

 93年にスタートした『聖はいぱあ警備隊』は、気がつけば変身ヒロイン「はいぱあ仮面」の物語になっていた。後半、迷走気味にヨタりながら完結したのは2000年。少女漫画の枠組みを軽々と超えて拡大していくセラムンCLAMP路線の裏で、変身ヒロインを古臭い少女漫画として描くことが、どこかの領域で求められたのだと思う。残念ながら、そーゆー主題をこなすような頭の良いカッチリした展開を描ける森生まさみなど森生まさみではなく、時代は流れ、はいぱあ仮面は戦う相手を見失っていくのだが。

 セラムンでは往年の変身アイドルと違い、職業と私生活、未来と現在、理想と現実といった二項対立の投影は求められず、二重生活によるアイデンティティ・クライシスはない。戦闘能力を持つヒロインは、突き詰めていけば男を必要としない。そうして自己完結したヒロインは、今度は戦うフィクションを内側から侵食していく。ドラマのお約束の側が、男女平等に追いついていないだけの話だが。