葉鳥ビスコ『ウラカタ!!』

少女マンガが影が薄いという話題に乗っかっておこうと思ったので。

作者は桜蘭高校ホスト部の人で完結済み。話は映像作品の大道具小道具を専門的に請け負う大学サークルが舞台。

読んでて懐かしいし楽しい。80年代後半の白泉社が好きな人は好きだと思う。ごちゃっとした山ほどの情報書き込みも懐かしい。

少女マンガの特徴は何かというならコマ割りに時間経過の役割を与える比率が極めて低いとなる。映画ぽさを目指してない。モノローグにしてもそうだし、絵もそう。映画的であることというか映像的であることに軸を置いて少女漫画を読むのは無理だし意味がない。しばしばテキスト比重が高いのは絵と字が同じ場に均質に併存してるからで、それが可能なのは絵が時間経過を追わないから。これが映画的であろうとかコマで時間を経過させようとかすると字と絵が平行的な扱いになってく。

んで。こういうコマごとの滞留時間の長さというか、読む時間が決められておらず先に促さないコマづくりというのはスクロール先送りを促すWEBマンガには向いてないかもなあとは思った。心理や恋愛を追うから少女マンガなのではない、という話。