追記・JR川崎駅圏内にGGCが出店したことの何がそんなに凄いのか

というわけで。
思わず[beer]タグをくっつけてしまいました。今回初です。
情報を修正いたしますと、GGCさん、元のドトールコーヒー茶店のオーナーのご親族なのだそうです。ここんとこでスタバは出るしドトール本体もエクセルシオールとか出すしでドトールチェーンに参加してるメリットが薄まったので脱退し、この4月から、昼は喫茶店、夜はビール店という経営形態に移行したのだそうです。

さておき、ついに川崎にGGC出店です。GGCは言うまでもなく略称で、長く言うと「グレートジャーマンクック」。今まで鶴見店および蒲田店がありました。鶴見店は京浜東北線鶴見駅そば、蒲田店は京急蒲田駅そば、それぞれ両隣の駅に店あれど、その中間の川崎は政令指定都市のセンター最寄り駅だというのに何故か出店していなかったのです。
いや、さもありなん。川崎は基本的に企業城下町にして労働者の町、飲む場所はいくらでもあれど、基本的に接待に使うような高級店は数件しか存在しない、とすら言えるほど客層および店の層は偏っています*1。数年前まで国内の地ビール樽生を扱ってる店舗もあったんですが、今の地ビールリバイバルブームを待たずして扱いを取りやめてしまいました。ラゾーナ内のベルギービール専門店は頑張ってますが、それ以外のクラフトあるいは輸入ビール店はなかなか出てこなかった。一店あればいいって思われるかもしれませんが、渋谷や神田、横浜桜木町界隈ではここ2、3年の間に取り扱い店が急増してたのに比較して、飲む打つ買うの三拍子揃った川崎が出遅れてた感は否めなかった。
 
まあ最近はブーム過熱気味な気配もかなりあるし、醸造元も入れ替わりが色々ありますので2,3年で店舗数も整理されるかなって感じではあるんですが*2、さてその一方で去年のオクトーバーって名前のくせに1年間に何回やったら気が済むんだよと思ってたらトドメとばかりにスーパーと名前を打ってCMまで流したとゆー節操なさすぎオクトーバーフェスト*3とかあるわりに、ビール大国ドイツ系のビールが飲める場所はあまり多くなかったりします。いや首都圏ですから足を伸ばせば幾つもありますよ。古くは銀座があり、有楽町の高架下にある老舗バーデンバーデンにJSレネップ、渋谷のカタラタス、横浜チア―ズ、新宿のホフブロイハウスなどなど。あるんですけど、ベルギービールのブームと、それに追随してリバイバルを果たした国内地ビールに比較して出遅れてた。
素人の俺が説明するのも恥ずかしいですがビール大国はイギリス、ベルギー、ドイツ、アメリカの4つ(すみませんがチェコは割愛させて)。大雑把にいえばエール系なイギリス、混ぜ物たくさんバリエーション山ほどなベルギー、王道にして全部うまいが最近は小麦系が日本で大流行のドイツ、後追いだけどマイクロブルワリーのブームを作りだしIPAや何やかやと今の流行を盛り上げまくって世界のビール環境を活性化させてきたアメリカ、という感じ。日本の地ビール地ビール解禁のときに出てきたのの大半がドイツ職人を呼んだ都合で多くがドイツ系でしたが、現在では有力なとこを除いて殆どアメリカ系に入れ替わってると言っていい状況です。水が軟水だったり湿度や気温が違ったりとドイツと同じようには作れない都合あったり、あとやはり日本人は夏の暑い時期にあわせて飲みたいしドライなのが好きっていう嗜好があるのか、ホップが強いIPAが大流行しまくってるのもあり。まあホップ多い方が味が作りやすいってのもあるらしいんですが、しかし今のIPA系列のエスカレートぶりは激辛ラーメン激辛カレー激辛スナックの流行に近いものを感じるわけでございまして、これぞ麦というドイツ系が、結果的に非常に出遅れてきた。いや正確には大手の出してる普通のビール(ピルスナー)がドイツ系なんで元からドイツじゃん、って言うのはその通りなんですけども、同じピルスナーでも違うんですよやっぱり微妙にいろいろと! いや利き酒しろって出されても酔っ払ってる最中にハートランドと区別がつけられる自身はないけどさ!
おいといてドイツビールの扱い店、あるようでいて、ないんですよ。あんだけオクトーバーフェストやりまくっててもさ。ザート商会の店だと高くて入りづらい、てのもあるんですが、さておいて、とにかく置いてる店が少ない。有楽町のバーデンバーデンに行けば500ml840円でドイツビールが飲めますから、まあそれで良いじゃない、て意見もあるかと思うんですが、都内に勤めてるならともかく川崎からはそうそう出向くわけにはいかない。
けど、川崎の近くにはあるんですドイツビールの店が。それが鶴見と蒲田のGGC。いや、都心の飲み屋激戦区と違ってローカルな立地の趣味の店だし、今となっては結構な老舗だからお値段は比較して割高だけどさ、んでもソーセージは自家製オリジナルだし、なんつってもケストリッツァーの樽生が飲める貴重な店が自転車飛ばして40分圏内にあるってだけでも嬉しいもんだったんですよ。………ケストリッツァー飲みたくなるのは冬だけどさ。冬の夜中に自転車で鶴見側の橋を越えてくのは寒いし、ちょっと足が遠のき気味になっちゃうんだけどさ。
 
とーこーろーが、とうとう川崎駅前に! ケストリッツァーはおろか、カタラタスやチア―ズの看板メニューでもあるヴェルテンブルガーの樽生まで用意し! さらには店オリジナルのボックまで! ありえねえ!
いや基本的に国内でヴァイツェンやボックって中々ないんですよ。いやヴァイツェンはけっこう作ってるけど、ドイツから輸入してきた瓶のヴァイツェンやボックが美味しすぎて、どうしてもね、なかなか勝てない。あたし基本的に甘党気味ですからして、コルビニアンとかのあの甘さはねえ、真似できないなって思っちゃうんですよね。だというのにボックのオリジナルってどういうこと!? ときいたら、まあなかなか教えてくれません。国内で作ってんだとしたら凄いと思うんですが。木樽に入った生とかありまして、3種もボック系があり。こんなのぜったいおかしいよ、てレベルです。オーナーぽい人が「川崎に唯一どころか日本に唯一の店ですから」とドヤ顔で仰ってましたが、いやホントにねえ。ないですよない。
鶴見も蒲田も非常に手作り感あふれる店で、ええ感じに趣味の店だったんですが(自家製と思われるザワークラウトがキャベツの千切り浅漬けにしか思えない味だったり)、ここんとこのビールブームに乗っかってどころじゃない、突っ走ってきた感じが非常によい。まあ地ビールや輸入ビール置いてる店なんて、どこもオーナーの趣味でやってる店なんですけどもさ。そうじゃなきゃ出来ないと思いますよええ。
 
いやホントにね、川崎がなんか一気に文明開化しやがりましたよ。なんせGGCさんは年中無休の朝5時までとゆー無茶な営業形態ですし、店に困ることはなくなりましたつーか。ヴェルテンブルガーの瓶も近所の激安酒店で定番化してるし、環境改善にもほどがありすぎです。

*1:いや言い切ると某店とか某店に申し訳が立たなかったりするが現状を巡る一般論的説明として

*2:ここのところで不景気も手伝ってか値引きも多い。つかドラフトビールはすぐ劣化するので10も20もタップを揃えてると早く回転させないといけない都合もあろうかと思われる

*3:去年のSPATENはすげえ出来が良くて美味しかったから、それがTVのCMで宣伝されたのは喜ばしいけど。