バットマンビギンズ

 TVでやってたので再視聴。
 うん、まあ。インソムニアとかと同じで、たぶん、ハリウッド脚本ハウツー本みたいな「人間の心理」を心理学方向でシナリオ用に解体していくツールみたいのがあって、それに適合するように心理分析してみせたバットマンという素材がここにあります、という話なんだけども(似たようなツールで解体したまんまの「人間描写」素材がゴロッと転がってる感に、最近だとエンジェルウォーズとかありましたが)、おそらく、その腑分けを提示してみせること自体にしか興味がない、みたいな感性ってなかなか評価を得にくいのかもしれないにゃー、とか。

 だから、バットマンに対して、けっこう突き放してる。とゆーことは「ヒーローという概念」に対しても腑分けの対象でしかない、みたいなドライさがあって、個人的には、そこが好きだったりする。

 だからね、「不殺」であるスーパーヒーローのわりに、パトカーを派手にクラッシュさせるようなカーチェイスやらかしたり、「トドメはささないけど助けもしない」つーて、実質見殺しじゃないか? そこは普通に縛り上げて警察に突き出せばいいんでないの? とゆー疑問が当然のごとくわいてくるクライマックスの決着のつけかたにしても、ようは「バットマンというキャラクターを腑分けするにあたって、<父親殺し>をどういうふうにあてこむか」みたいな、ハウツーの手引きに従ってやってるだけ、のように見えるんよね。