世界樹の迷宮におけるキャラクターの名前について

 さらに、ゲーム本体から周辺事情に視点を移してみると、二次創作におけるキャラクターの取り扱いの問題がある。

 世界樹の迷宮を題材にした二次創作はそれなりの数があるが、それらは多くの場合、プレイヤーが自分の作成し名づけた名前では、書かれない。具体的には、例えば、以下のようになる。

http://www15.atwiki.jp/sekaiju_maze/pages/37.html#id_7de097eb

 あるいは、実際に二次創作のページ、

http://www.s-ht.com/~eparo/sekakyu/wsb.php

 つか、メーカーのオフィシャルの段階で、

 http://img.f.hatena.ne.jp/images/fotolife/w/wapa/20070120/20070120203301.jpg

 という具合に、職業クラス名が、そのままキャラクターの個体名に転用されたり、あるいは個人名を出さない形でのSS記述が定式化されるといった形になる。

 昔のWizでも創作は作られたが、こうした形にはなっていない。

 おそらく、キャラクターの外見がゲーム内で与えられていたこと、その外見が可愛らしいものであったこと、外見が各職業ごとに4種類と限られていてイメージがまとまりやすかったこと、ネットのやりとりの中で簡略に扱うための省力過程から、オフィシャルのキャラクターグラフィックを軸に、二次創作キャラクター化がそのまま進展していくことになった。イラスト系でも、当然ながら職業名で呼ばれている。

 このようなキャラクターのあり方の、核の部分はゲーム内にあるのだろうか。二次創作で扱われるのは、イラストを軸に漠然と漂うイメージの集合であり、そこでは、キャラクターの固有名は問われない。イラストサイトでのイラストでは、そもそも固有性を与えられているかすら怪しい。

 漠然としたキャラクターイメージが名前も持たず、そのまま二次創作に書き付けられているのだとしたら。それは一体、なんなのか。