キスで勃つか

 ふつうにおっきします。なんだろう、キス行為自体がメンタルなとこで成り立ってるのかな、とか考え込むレベルで、エロいという感覚を経由せずにそのままおっきするかんじです。おっきして発散気味にならない人は逆に入れ込んじゃうかもしれないです。

 アイマスアーケードや魔女神判なんかでは、あるいはちょいと昔のマウスカーソルがマジックハンドになったり「ベロ」になったりするのでは、それで性的興奮を得られるかというと別にそんなこたーなくて、ラブプラスのスキンシップモードもやや作業気味なところでこなしてたりするのですが、キスは違う気がします。1秒とか、長めに押すのが効くのかもしれないと思いました。ICOで、ヨルダの手を握るためにRボタンを長押しするのと少し似てる。指や手を意識的に動かすところから切り離されてるせいかしら。あるいはアーケードゲーやマリオで語られるところの、ボタンを押すタイミングから少しずれて反応する、時間的な負荷が「重さ」や「手ごたえ」に感じられるという話に近いかも。

 その意味では、メールの返事がくるのに若干のタイムラグが用意されている仕様もまた、「メールやり取りをリアルに再現している」のがすごい、わけではない気がします。実際のメールやり取りのタイムラグ(しかし実際はお互いにすごい速さでレスを返そうとしている)が、そのような「手ごたえの感覚」を導入するのに適しているから採用したと考えるべき。さらに拡大解釈してくなら、そのような「反応がかえってくるまで時間がかかる」のの究極としてリアルタイムモード・現実の恋人にもつながる。

 もちろん、その逆サイドには「どこをデフォルメし、省略するか」というゲームデザイン上の至上命題があるけども、この場合ナニを省略しているかというと、プレイヤーと彼女の間にはばかるもろもろ全部、かなり大胆に省略してることで成り立ってる気がします。

 言い訳、とでもいいますか。あるいは、ゼビウス以来、日本のゲームデザインについてまわる、「ストーリー」の省略。

 音声会話にしてもタッチコミュニケーションにしても、言い訳がなくてダイレクト。「友達と恋人の中間のぎくしゃくした関係が抜け落ちてる」てのは若木民喜の優れた指摘(つまりその部分をこそノベルエロゲのストーリーが請け負ってた)だけど、そのへんの人格としての厚みの無さをちゃんと請け負ってるから各種コミュニケーションが成り立ってる部分て大きいんじゃないかな。